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サッカー日本代表戦開催の広島新スタジアムのすばらしさ 首都圏での球技場新設はまだ? (4ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

【西日本には球技専用の新スタジアムがいくつも完成】

 日本におよそ5万人を収容する競技場がたった3つしかなかったような時代を思えば、広島に近代的なサッカー専用スタジアムが完成したというのは、まさに隔世の感がある出来事だ。

 そういえば、この数年で西日本には球技専用の新しいスタジアムがいくつも完成した。

 2016年完成のパナソニックスタジアム吹田をはじめ、サンガスタジアムby KYOCERA、(2010年から改修工事を重ねてきた)ヨドコウ桜スタジアムといったスタジアムだ。今年も広島だけでなく金沢ゴーゴーカレースタジアムも開場したし、10月には長崎スタジアムシティも完成する予定だ。

 いずれのスタジアムも、試合がない日にもさまざまな形で人々が集うコミュニティーの中心となる施設ばかり。いずれも、30年前には考えられないようなスタジアムだ。

 ところで、新スタジアムの建設ラッシュに沸く西日本はともかく、東京や横浜など首都圏のクラブは、今でも2002年日韓W杯前に作られた古いスタジアムを使用している。しかも、その多くが陸上競技兼用なので必ずしも観戦環境がいいわけではない。

 しかも、これらのスタジアムも間もなく築30年を迎えて、老朽化する時期にかかっているのだ。

 首都圏のクラブも、そろそろ新スタジアム建設について考えないといけないのではないだろうか......。

著者プロフィール

  • 後藤健生

    後藤健生 (ごとう・たけお)

    1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2022年12月に生涯観戦試合数は7000試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。

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