U-23日本代表に足りないのは何か オーバーエイジ3人を想定すると見えてくる (2ページ目)
【劣勢でも立て直せる選手とは?】
率直に言って、今大会のチームで本大会のメダルを狙うのは難しいだろう。
そこで、ひとつの思考実験として「もし〇〇が五輪代表に入ったら改善できるか?」を考えることで、今回のU-23日本代表に足りなかったものを整理してみたい。
もしかすると、それは選手以上に大岩剛監督の話かもしれない。ウズベキスタンのほうが、チームとしての再現性を感じさせるプレーデザインで、監督の色合いも感じさせていた。大会を制した指揮官の交代は非現実的だが、それはこの大会を戦った選手たちも同じはずだ。
FW、MF、DFでひとりずつOAを補強できたら、チームは単純にパワーアップするだろう。もし誰でも選出可能なら、FWは上田綺世(フェイエノールト)、MFは守田英正(スポルティング・リスボン)、DFは板倉滉(ボルシアMG)を推したい。自分たちのリズムではなくてもシュートを叩き込み、気の利いたプレーで試合の流れを引き戻し、劣勢でも立て直せる、という3人だ。
FWは大会終盤に復調の兆しのあった細谷真大に期待したいし、藤尾翔太はユーティリティが魅力だろう。しかし、現実的にメダルを考えるなら、上田の得点力は捨てがたい。ストライカーは個の差が出るポジションだ。
MFは遠藤航(リバプール)が最有力だろうが、小久保と並んで大会MVP候補だった藤田譲瑠チマに同ポジションは託すべきだろう。一方で、荒木遼太郎は逸材だし、山本理仁もセンスを感じさせるが、足りないのは攻守を連結させる人材だ。守田が入ることで、攻守のスキルは上がるはずだ。
DFは、今大会も高井幸大、木村誠二が健闘し、右サイドバックの関根大輝は逞しく成長を遂げ、半田陸も才能は申し分ない。左サイドバックはフル代表でも人材に苦しんでおり、むしろこの世代の台頭に託すべきだろう。一方でディフェンスリーダーとなれる実力者が求められるとすると、冨安健洋(アーセナル)は格好の人材だが、ケガの多さが懸念材料だけに、経験を重ねる板倉が適任とした。
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