平河悠は三笘薫に続くか! 五輪最終予選での活躍で膨らむパリ経由W杯で躍動という図式への期待 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 昨年を振り返り、「ひとりで筋力トレーニングばっか(やっていた)」と言うが、今年はトレーナーと相談しながら、「体の動かし方というか、使う筋肉をより強くすることだったり、可動域を広げることだったり」を重視してトレーニングするようになった。その結果、「体のコンディションやフィーリングのところも、去年よりも上がっていると思います」と、成長を口にする。

 今大会は、グループリーグ初戦から準々決勝まで中2日での試合が続き、準決勝、決勝にしても中3日。18日間で6試合をこなさなければ頂点には立てない、過酷なスケジュールで行なわれている。

 それでも、平河は「こういう過密日程のなかでコンディションを整えるのは数少ない経験ですし、難しい」と認め、「いかに疲労を次の試合に残さないで、自分の100(%のコンディション)に持っていけるかが一番大事になってくる」と話すが、ここまでのプレーを見る限り、試合を重ねてもなお、ドリブルのキレに鈍りは感じられない。

「J1でやっていることがこの大会でもしっかり出せていると思うし、この大会だから通用しないという部分は、そこまで感じていない。自信を持って今、決勝まできているかなと思います」

 平河がこのチームに初めて選出されたのは、昨年6月のヨーロッパ遠征のこと。それまでは候補選手と見られることすらほとんどなかった"伏兵"は、それから1年足らずで、チームに不可欠な選手へとのし上がった。

「去年の6月に(初めてこのチームに)呼ばれた日のことは忘れませんし、そこからここまでこられるというイメージはあまりできていませんでしたけど、着実に自信もつけてきました」

 昨季はJ2でプレーしていたが、今季は所属する町田ゼルビアの昇格とともに、日常の戦いの舞台をJ1へと移した。そこでの自信が、現在の平河を支えていることは間違いない。

 とはいえ、国際大会では、Jリーグとは違った難しさがあるのも事実。平河は「体の作りも違いますし、サッカーのスタイル自体も違うので、(J1と今大会では)どっちのレベルが高いかとかは、対戦相手にもよりますけど」と前置きしたうえで、こう続ける。

「国を背負って戦う、その難しさというか、相手も本当に必死になってくるので、(J1の)リーグ戦とはちょっと違う戦い方になる。ひとつのミスとか、カードとかが本当に明暗を分けるような戦いが今続いているので、プレーだけじゃない難しさっていうのは今大会で感じています」

 日本にいるのと変わらぬ様子で、淡々と「あまり考えるタイプじゃないし、緊張もほとんどしたことがない」と語るが、負けたら終わりの準々決勝カタール戦の前は、「サッカーのイメージをすることが、いつも以上に多かった。緊張はしなかったですけど、責任という部分はJリーグのときとはちょっと違うような気持ちはあった」と振り返る。

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