伊東純也離脱問題にレオザフットボールが警鐘「サッカー協会おかしいぞってみんなが言い続けないといけない」 (3ページ目)
――過去の代表監督をみると選考基準も一貫性もないですね。
「まったくなかったです。哲学がないので、それっぽい人を呼んでくるだけ。本当に『ガチャ』なんですよ」
――チームを変える上で重要なのは、監督ではなく、トップですか。
「本当に強いチームにしたいならそこでしょう。田嶋さんは自身の安定のなかで組織をつづけていきたいんですよ。でも、SNSとか外の声が大きくなり過ぎて、今まで見えなかったロッカールームのなかが可視化され、いろんな声が出てくるようになった。サッカー村の村長である田嶋さんは、猟銃でまだ戦っていたいのに新しい武器を入れないといけないみたいな感じになっている。次は、恒(宮本恒靖)さんが会長になりますが、就任の流れを見ていると田嶋さんの傀儡の可能性が高く、状況はきっと変わらないでしょう」
――トップはサッカーの経験者である必要性がありますか。
「そこは実力があればどちらでもいいと思います。重要なのは必要なものを見極められるかどうかです。僕は、プロレスが好きなんですけど、新日本プロレスは選手が現場でいろいろ決めていた時代は危険を孕んだ面白さがありました。しかし、流れが崩れると選手が自分の立場を守りたいうえで起きる現場での権力闘争がファンのニーズと合わず、衰退を招きました。でも、ビジネス感覚のある人が内に入って来て、どういう戦略で世界に打ち出していけばいいのかをとことん議論して、実行したら経営が軌道に乗り出した。その流れが日本サッカー協会にも起きればなと思うんですけど、現実的にはスポンサーが下りて経営的に厳しくなるなどの直接的な打撃がないと難しいでしょう。自浄作用は期待できそうもない組織に見えてしまっています」
――今のサッカー界でレオザフットボールさんができることはありますか。
「僕は、現在のサッカー協会に夢が持てないので、自分のチーム(シュワーボ東京<東京都社会人サッカーリーグ3部>)を成長させていくのを一番の楽しみにしています。僕みたいな元プロ選手ではないオーナー兼監督が情熱と知性で日本一強いチームを作ったとなると、無視できなくなると思うんです。でも、同時にサッカー協会はおかしいぞっていうのを、みんなが言い続けていかないといけない。勝ったらいい、盛り上がればいいではなく、ダメなところは修正されるまで言い続けていかないと。今のままじゃ大会が終わるごとに、『今回もダメでした』で終わってしまう。それでは日本のサッカーはいつまで経っても成長しないでしょうね」
おなじみの配信席に座るレオザフットボール(本人提供写真)この記事に関連する写真を見る
■Profile
レオザフットボール(れおざふっとぼーる)
2016年よりYouTubeチャンネル『レオザフットボール』を開設し、活動を開始。歯に衣着せぬ鋭い配信にファンがじわじわと増加中。現在のチャンネル登録者数は23.3万人(2024年3月時点)。並行してサッカー指導者としての顔も持ち、自身で立ち上げたシュワーボ東京(東京都社会人サッカー連盟3部)の監督兼オーナーを務めている。
YouTubeチャンネル:@leothefootballtv7690
著者プロフィール
佐藤 俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など著書多数。
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