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冨安健洋に聞く「日本代表の弱点」 言葉を選びつつ「アーセナルの選手には、言わずとも『勝ちへの執着心』が備わっている」 (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【劣勢を帳消しにしてしまうクオリティがあれば...】

 冨安は思考を巡らせながら、日本代表が進む方向を模索する。

「結局、難しい状況に陥った時、何ができるのかっていうところ。いい時は誰でも勝手に(調子に)乗っていけるんですけど、よくない時にどれだけのことができるかは、もっとうしろからやらないといけない。

 あとは、そのよくない時ですら、それすら帳消しにしてしまうクオリティや能力があれば、という見方もできる。それは前の選手もうしろの選手もそうですし、よくない時でもひとりで守るとか、よくない時にも勝手にひとりで点を取っちゃうとか。超越した選手になる──っていうところも、もうひとつの違った道。その両方を目指すべきだと思います」

 冨安の言葉からわかったのは、チームとしても個としてもまだまだ課題は多く、同時に成長の余地も残されているということ。そして解決するには、一朝一夕の問題でもなさそうだ。そんな現実を突きつけられたアジアカップ・ベスト8だったことが伝わってきた。

著者プロフィール

  • 了戒美子

    了戒美子 (りょうかい・よしこ)

    1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。

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