日本代表、アジアカップでの焦点は「選手を使い回して」優勝できるか 過去2大会はそれで失敗 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【準決勝がピークだった前回大会】

 2015年から2019年アジアカップまでの4年間に、日本代表の監督は、かつてないほど目まぐるしく変わった。そして2019年大会の時点で、まさか次回のアジアカップも森保体制で臨むとは想像だにしなかった。カタール大会(名称は2023年カタール大会)に臨む森保監督は、つまり5年前と比較される立場にある。当時の敗戦と同じ轍を踏むわけにはいかない。

 2019年大会の森保采配は、2015年大会のアギーレ的であり、2018年ロシアW杯の西野的でもあった。つまり選手を使い回す術に欠けていた。決勝でカタールに1-3と番狂わせを許した理由と、2015年アジアカップでUAEにPK戦負けした理由は、ほぼ一致していた。

前回のアジアカップ決勝でカタールに敗れた日本代表 photo by Fujita Masato前回のアジアカップ決勝でカタールに敗れた日本代表 photo by Fujita Masatoこの記事に関連する写真を見る 以下に示すのは、全23選手が決勝までの7試合を戦うなかで得た出場時間だ(アディショナルタイムは除く)。

 冨安健洋・7試合541分、原口元気・7試合509分、権田修一・6試合540分、吉田麻也・6試合540分、長友佑都・6試合540分、柴崎岳・6試合540分、堂安律・6試合531分、酒井宏樹・6試合523分、南野拓実・6試合506分、遠藤航・5試合335分、北川航也・5試合236分、塩谷司・5試合207分、伊東純也・5試合117分、大迫勇也・4試合288分、武藤嘉紀・4試合236分、乾貴士・3試合94分、槙野智章・2試合180分、室屋成・2試合107分、シュミット・ダニエル、三浦弦太、佐々木翔、青山敏弘・各1試合90分、東口順昭0。

 大迫が途中でケガをし、3試合スタメンを外れていなければ、武藤、北川の出場出番はもっと少なかったと見ていいだろう。4年前ほどではないものの、やはり誰がレギュラー(上記リストでは南野まで)で誰がサブか、出場する選手としない選手の差は著しい。出場時間のシェアができていないことが鮮明になる。

 日本は第1戦トルクメニスタン戦(3-2)、第2戦オマーン戦(1-0)に連勝、その時点でグループ突破を決めた。3戦目のウズベキスタン戦(結果は2-1で勝利)は、それまでベンチを温めてきた選手をスタメンに持ってきた。

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