「鎌田大地はどのポジションもできるように映るが、そうではない」日本代表のミャンマー戦での中盤3人をスペインの名指導者が分析 (3ページ目)
その点で森保監督のマネジメントは及第点を与えられる。
たとえば堂安律は、戦う姿勢を示していた。いつも彼がプレーしているレベルと比べれば、無気力になってもおかしくはないが、むしろ空回りしているように見えることもあるほど必死だった。それが執念のような5点目につながったと言えるかもしれない。守田英正からのパスを受けると、冷静にGKを撃ち抜いている。
チームは着実に得点を重ねていく一方で、ミャンマーはゴールにもほとんど近づけず、見事に完封した。セットプレーに対しても、谷口彰悟が少しも隙を見せてない。仕事量は少なかったが、そこで気を抜かないことが求められる試合で、それを完遂している」
エチャリはそう言って、W杯予選の初戦を勝利でスタートしたことを「幸先がいい」と締め括った。
「アジア2次予選は、力が落ちる相手との試合が連続するだろう。しかし、そこでのマネジメントを軽んじるべきではない。その点、ミャンマー戦は収穫があった試合と言えるだろう。シリア戦も、さらなる戦力強化を期待したい」
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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