日本代表はW杯2次予選をどう戦うべきか「ベストメンバーを崩して戦うべき」識者4人が提案する (3ページ目)

【ホームゲームは国内組中心で】

「試合の開催地により招集メンバーの変更を」

浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 日本がワールドカップアジア2次予選で対戦するのは、ミャンマー、シリア、北朝鮮の3か国。2次予選全9グループのなかでは、日本が入ったグループBは比較的ハイレベルな国が揃ったと言えるのかもしれない。

 とはいえ、実力的に見て日本が抜けた存在であるのは明らか。しかも、次の3次予選に進めるのは4カ国のうち上位2カ国なのだから、万が一、1、2試合取りこぼすことがあったとしても、敗退を心配する事態にまで陥るとは考えにくい。

 だとすれば、このラウンドにおいてベストメンバーの招集にこだわるのは、あまりにも愚策である。柔軟なチーム編成を考えたい。

 特にチャンピオンズリーグをはじめとするUEFAの大会に出場している選手には、できるだけ日本代表活動の負担を減らしてあげるべきであり、所属クラブの活動に集中しやすい環境を整えてあげるべきだ。

 現在のカレンダーを見ると、今年9、10月がそうであったように、FIFAが定める国際試合開催期間の前後の週にUEFAの大会が組まれているケースが多い。必然、当該クラブに所属する選手は過密日程を強いられることになる。そのあたりも踏まえて、招集の判断はなされなければならない。

 具体的に言えば、試合の開催地によって区別するのはひとつの手だろう。

 たとえば、日本のホームゲームに関しては、対戦相手にかかわらず国内組を中心に戦う。

 同じくミャンマー、北朝鮮とのアウェーゲームについても、(中立地での開催でないとすれば)入国方法にはそれなりの制限が課される可能性が強く、ヨーロッパ組がそれぞれの試合日程に応じてバラバラに現地入りするのは難しいはず。だとすれば、この2試合についても国内組中心で戦ってもいい。

 昨年のE-1選手権優勝を見ても明らかなように、今の日本代表はヨーロッパ組を数多く揃えなければアジアで戦えないというわけではない。むしろ国内組の新戦力を試す好機ととらえたいところだ。

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