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久保建英はどのポジション? 日本代表の課題は分析・研究してくる「非欧州」チームとどう戦うか (4ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Getty Images

【対欧州で見せた強さをカナダ、チュニジアにも発揮できるか】

――今回のカナダ戦、チュニジア戦の見どころはどこになりますか?

清水 カナダはやっぱり僕は厄介なチームだなと思いますね。アメリカとの試合もちょっと見て、もともと4バックの印象だったんですけど3-5-2にシステム変えていて、外にアルフォンソ・デイビスというめちゃめちゃ速い突破力のある選手がいる。

 ワイドを使った攻撃もするし、ロングボールでも結構起点を作っていくので、日本が高い位置でプレスしたいという意図は、割とバチバチ外されるんだろうなと。戦いづらい相手なのは間違いないですね。

 そうした展開は、次のワールドカップでは間違いなく起こります。48カ国に参加が増えれば、日本を研究し分析してきた相手と戦うケースが増えてくるので。本当に強化試合になりそうだなという印象を持っています。

西部 カナダは次期W杯開催国ですよね。かなり若い選手も強化している。カナダという国自体もそうなんですが、いろんなルーツの選手が混ざっているという意味で、ちょっとフランス的と言うのかな。

 だから選手の個性が、速い選手は速い、強い選手は強いみたいに、バラバラなところが面白い。そのわりに戦い方はカチッとしていて、非常に戦術に忠実なサッカーをやるチームです。日本はあまりこういうチームとやったことがないかもしれないので、すごく面白いですね。

 チュニジアはやっぱりアフリカですから、ある程度守備をしっかりさせながら、カウンターを狙っていく。戦い方が割と日本に似たようなチーム。そういうところとやった時に日本はどうかというところですね。

清水 チュニジアとは昨年6月に日本で戦っていて、あの時はかなりチュニジアが日本のことを研究していました。日本はその日4-3-3をやってアンカーに遠藤航がいたんですけど、そこを狙われまくってあの試合をきっかけに4-3-3をやめたんですよね(※0-3で敗戦)。

 遠藤も自分が狙われまくるからやりたくないという感じのことを言った話を聞いていて、そういうきっかけになった試合でもあるので、結構日本を悩ませる試合をするチームだなと。

 カナダもそうですよ。戦術的に両チームともかなり整備してくる印象ですね。

西部 対欧州の強さは、もうかなり証明されているじゃないですか。同じことが違うタイプの北中米や南米、アフリカとかにできるのかというのがまだわかっていないところなんですよ。というか、今までの感じだと対欧州ほどにはできないという結論が出ているので、そこを覆せるかどうかです。

清水 カタールW杯のコスタリカ戦の延長ですよね。ちょっと似ている2つだと思うので。

西部 そこが課題なんだけど、解消されてないというか、証明されていないですよね。だからそこを証明する機会じゃないですか。

著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

  • 清水英斗

    清水英斗 (しみず・ひでと)

    1979年岐阜県生まれ。プレーヤー目線で試合の深みを切り取るサッカーライター。著書に『サッカー観戦力 プロでも見落とすワンランク上の視点』(東邦出版)、『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』(中央公論新社)、『サッカー好きほど知らない戦術の常識』(カンゼン)など。

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