日本代表が「普通に」戦ってドイツに快勝 隔世の感を覚える歴史的勝利には理由がある (2ページ目)
しかし、今回のドイツ戦を見ていて感じるのは、やはり日本選手個々の成長である。
ヨーロッパでプレーする海外組が勢力を拡大しているのは確かだが、それは単に数のうえだけの話ではない。近年は、UEFAのチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグに出場するクラブでプレーする選手が格段に増え、質の面でもレベルアップは明らか。今回の先発メンバーを見ても、半数以上の6人がそれに該当する。
加えて、年齢的に最も成長するタイミングに当たり、今後日本代表の主力を形成することが期待される"東京五輪世代"が、日本代表での存在感を着実に高めていることも、チーム強化を支える要素のひとつだろう。
そのひとり、DF板倉滉は、「みんなが本当に自信を持ってやっていたと思うし、相手が嫌がっているのを感じながらやれた」と胸を張る。
今の日本選手は、技術やフィジカルといった面での成長はもちろんのこと、戦術面においても、相手の戦い方を見ながら(試合前の分析やゲームプランがどうであろうと)動きや立ち位置を変え、守備のやり方や攻撃時のボールの動かし方を変えることができる。
「(FW上田)綺世の近くでプレーしてほしいと言われていたが、(右)サイドのスペースを効果的に使えると思った」という鎌田が前半、右サイドで多くのチャンスメイクに絡んだのは象徴的な例だろう。
それは彼らが日々、ヨーロッパの高いレベルのサッカーに揉まれているからこそ発揮できる成果に他ならない。
「ワールドカップの時より、(今回のドイツ戦は)本当に充実感があった。ワールドカップの時はしんどくて、なんとか守っているって感じだったけど、今回は意図的に守って、攻撃できていたって感じだった」
そんな言葉で"連勝"を振り返る伊東は、満足そうにこう続ける。
「個々の成長が大事。自分としても、前回取れなかったゴールが取れたのはよかった」
それぞれの所属クラブで、MF三笘薫やMF久保建英がスーパーゴールを叩き込めば、MF遠藤航が堅実な守備を披露する――。
そうしたいくつもの活躍が、そっくりそのまま日本代表の強さとなってピッチ上に表われ、ドイツ代表の選手を、スタッフを、サポーターを、大きく落胆させたのである。
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