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明神智和が「トルコの力を見誤った」と語る日韓W杯 トルコ戦でのある1プレーに世界へ出て行く選手との「差を感じた」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • photo by Getty Images

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 ただただトルコのしたたかさが目について、『このチームに勝つのは容易じゃない』と試合の途中で思ってしまった。その時点で負けですよね」

日韓W杯、日本は決勝トーナメント1回戦で敗れた。「やっぱりトルコは強かった」と明神智和日韓W杯、日本は決勝トーナメント1回戦で敗れた。「やっぱりトルコは強かった」と明神智和この記事に関連する写真を見る 雨に濡れ、涙を流す選手が多いなか、明神も込み上げてくるものがあった。

「寂しかった、ですね。こんなすばらしいチーム(での戦い)と、こんなにすばらしい大会が終わってしまった。もう同じメンバーでW杯を戦えないのは、本当に残念でした。試合後、もっとやれることがあったんじゃないかとかいろいろと考えたんですが......、やっぱりトルコは強かったです」

 明神にとって、世界を相手に3試合を戦って得られた経験は、サッカー選手としての成長を促すものだった。守備はもともと強かったが、自らに改めて必要だと感じたのは、攻撃力だった。トルコ戦でボランチに入った時、その力のなさを思い知らされた。

 それゆえ、ボランチの稲本が2試合で重要なゴールを決めたことは、大きな刺激となった。明神は点が取れるボランチこそ、今後のスタンダードになることをW杯の試合から感じ取った。

「このW杯が終わってからは攻撃を、すごく意識するようになりました。トルコ戦の後半、僕もミドルシュートを打ったんです。でも、あまりヒットしなくて、枠にいかなかった。

 そういうシュートを最低限枠に飛ばす、さらに決めるというのが世界に出て行く選手。(シュートを外した時に)『その差だな』って思いましたね。これからは、『守備はできて当たり前。攻撃面で得点やアシストなど、目に見える結果を出していかないといけない』と思いました」

 2002年日韓W杯から2年後の2004年シーズン、攻撃への意識を高めた明神は柏レイソルで5ゴールをマーク。その評価はまた一段上がり、点が取れる怖いボランチに変貌した。

「ワールドカップの舞台で悔しい思いをして、自分に足りないところを突きつけられたけど、年齢に関係なく、そのことを意識して練習していけば『変われるんだなぁ』って思いました」

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