森保ジャパンの最重要ポイントはDF陣の新戦力発掘 大化けしそうな国内組2選手に注目 (2ページ目)
昨季名古屋でブレイクを遂げた今季プロ5年目の22歳は、今年3月、すでに日本代表に初招集されているが、親善試合2試合での出場機会はなし。まだ日本代表デビューは果たせていない。年代別日本代表経験も豊富とは言えないだけに、早く国際舞台に立たせてみたい好素材である。
そして、もうひとりは、毎熊晟矢(まいくま・せいや/セレッソ大阪)だ。
C大阪で主に右サイドバックを務める毎熊は、ひと言で言えば、サッカーセンスがいい選手。主戦場は右サイドバックながら、昨季は右サイドMFとして頭角を現したのも、その表れと言ってだろう。内に外にと自在に立ち位置を移し、周囲と連係して攻撃に加われるセンスのよさは、新たなポゼッションスタイルを取り入れようとしている日本代表が必要としているものだ。
「近い将来、必ず日本代表に入れる」と太鼓判を押す、C大阪の小菊昭雄監督曰く、「(毎熊は)和製ハキミ」。昨年のワールドカップでアフリカ勢初のベスト4進出を果たしたモロッコ代表の万能右サイドバック、アクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン)になぞらえるほどの才能を秘めている。
桃山学院大学卒業後、J2のV・ファーレン長崎で2年プレーしたあと、昨季C大阪へ移籍。今季がJ1での2シーズン目という毎熊のキャリアは、さながら"第2の山根視来"だ。もともとは攻撃的なポジションだったというあたりも山根に通じ、川崎フロンターレ移籍をきっかけに日本代表に選ばれ、ついにはワールドカップ出場までたどり着いた先輩右サイドバックを思わせる。
藤井同様、25歳の毎熊もまた、年代別代表経験に乏しい。というより、まったくない。国際舞台でのパフォーマンスについては未知数だが、だからこそ、早く日本代表でチャンスを与えてみたい選手である。
3年後の次回ワールドカップでは、出場国が32カ国から48カ国に増え、それにともない、アジアに与えられる出場枠も4.5か国から8.5か国へとほぼ倍増。日本がアジア予選で敗退する可能性は相当に低くなり、当然、予選中でも新戦力を登用しやすくなる。
しかも、いわゆる"格下"との対戦が予選の多くを占めるなか、すべてのホームゲームに長距離移動を強いられるヨーロッパ組を招集するのは、選手にとっても、チームにとっても、決して得策ではない。
少なくとも、今年11月から始まるアジア2次予選に関しては、国内組の新戦力を発掘するための好機ととらえ、ホームゲームではJリーガーを中心に戦うくらいの発想があっていいのではないだろうか。
JリーグでプレーするDFにも、化ける可能性を秘めた人材は間違いなくいる。
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