「日本の罠にはまった」...スペインの名将がなでしこジャパンを大絶賛「選手たちは何をすべきかの確信に満ちていた」 (3ページ目)
男子のW杯でもそうだったが、スペインはたとえポゼッションを捨てても、意表を突くべきだった。ルイス・エンリケ監督が率いたスペインと同様、スペイン女子の場合も、日本のボール支配率は22%だったとも言われるが、その数字に意味はない。ボールをつなげることに執着し、墓穴を掘ったのだ。
スペインは、戦術的に準備された日本の罠にはまった。わずかなミスでボールを失うと、広大なスペースを使われてしまい、失点を浴びた。それが焦りを生じさせ、攻め急ぎにもつながっていた」
その構造は、カタールW杯でのスペインの敗北と似ていた。最後にエチャリは「再戦」を望んだ。
「日本は勝利に値するサッカーをした。ボール支配=勝利ではない、と結論づけたとも言える。男子W杯に続き、女子W杯でもすばらしい戦いでスペインを下した日本の躍進は、日本サッカーに関わってきた人間としての喜びである。ベスト8進出をかけたノルウェー戦の健闘を祈りたい。決勝でのスペインとの再戦を願う!」
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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