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ドイツ、スペインに勝ってもコスタリカに負ける――U-22日本代表が抱える課題はA代表と同じ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

「もっともっと自信を持ってボールを動かすところ、(それを)やり続けるところをもっと前半から出せれば、もっともっと1試合の評価が高くなるんじゃないかと思う」

 つまりは、ビルドアップ。このチームもまたA代表同様、ボールを保持した時のプレーにまだまだ問題を抱えているのである。

 背番号10を背負い、攻撃の中心を担うMF鈴木唯人が厳しい言葉を口にする。

「単純にみんなが前を見ないので、(ボールを)下げることがセオリーになってしまっているし、下げることがいいプレーみたいな感じに、感覚としてなっている。もっと前を見ることが必要だし、前にプレーすることが絶対的に必要だと思う」

 すでに記したように、日本はいい守備ができていた時(とりわけ、高い位置でボールを奪った時)に、いい攻撃につなげることができていたのは確かだ。

 いい攻撃とは、すなわち、縦に速い効果的な攻撃と言い換えてもいいだろう。

 だが、裏を返せば、ひとたび低い位置でボールを持たされてしまうと、なかなか攻撃がスピードアップせず、効果的な攻撃につなげられない。鈴木唯のコメントにもあるように、ボールを大事にしていると言えば聞こえはいいが、横パスやバックパスばかりが目立ち、なかなかボールを前進させられなかった、とも言える。

 堅守からの速攻ならチャンスは作れるが、ボールを持たされるとチャンスメイクがままならない。これでは、ドイツやスペインに勝ってもコスタリカに負けてしまう、カタールでのA代表を見ているかのようだ。

 鈴木唯の辛辣な指摘は続く。

「安パイにサッカーをしているってことだと思う。それが日本のサッカー。Jリーグとかを見ていれば、そんな感じなのかなと思う。目的はゴールをとることなので、決して(パスで)ボールを何本つないだところで点は入らない。無理に(縦パスを)蹴ろとは言わないが、そういうところが必要なのではないか」

 90分を通してみれば、まったく効果的な縦パスが入らなかったわけではないし、遅攻から相手ゴールに迫れなかったわけでもない。

 しかし、だからといって、鈴木唯の言葉が厳しすぎるとも思えない。スタンドから試合を見ていて、そこでバックパスしてしまうのかと、ガッカリさせられたシーンは、一度や二度ではなかったからだ。

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