U-22日本代表、プレミアリーグの若き精鋭が集ったイングランドに快勝しても満足度が低かった理由 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by ©JFA/PR

「お互いに低い位置でボールを持って、ミスでカウンターもお互いあって、みたいな展開ではあった」(山本)

「前半自分たちの守備がうまくハマらない場面とかもあって、少しピンチになったりっていうのがあったけど、自分たちにもチャンスがあって、(小田)裕太郎の決定機があって、(平河)悠の決定機もあったなかでの前半0-0の折り返しだった」(藤田)

 これまでの試合のように、一方的に近い形で前半押し込まれることがなかったのは、「ドイツ戦のようなオープンな展開にならなかった」からだと、山本は考えている。

「広い範囲で1対1を仕掛けられたりすると難しいところもあったけど、チームとしてコンパクトにミドルゾーンで守っているなかでは怖くなかった。相手を見ながら変にハイプレスをかけすぎず、ミドルゾーンで構えて、(ボールが)入ってきたところを潰す守備ができていた感覚はあった」

 結果的に日本は、昨秋来のヨーロッパ遠征での7試合目にして初の無失点。それが強豪国を相手にしての勝利につながったことになる。山本が続ける。

「(ミドルゾーンで構えることで)うしろにスペースを作らせず、スペースがある形で相手のウイングに(ボールを)持たせなかったのが、今回ゼロ(無失点)に抑えられた要因だったのかなと思う。(これまでの試合で)手応えが徐々に積み上がってきて、それをイングランド戦で発揮できたっていうのはある」

 とはいえ、せっかくの勝利に水を差すわけではないが、対戦したイングランドが、多少なりとも拍子抜けする相手だったことも確かなようだ。

 エミール・スミス・ロウ(アーセナル)、ハーベイ・エリオット(リバプール)ら、プレミアリーグで注目を集める若手選手が名を連ねた今回のイングランド。そこには、日本がこれまでのヨーロッパ遠征で対戦してきた強豪国よりも、さらなる格上感が漂っていた。

 ところが、そんな"スター予備軍"も、23歳以下の欧州王者を決めるU-21ヨーロッパ選手権(6月21日開幕)を目前にしているとあって、調整ムードがありあり。

 試合前は、「トッテナムのボランチの(オリバー・)スキップがいるって聞いた時はちょっとテンション上がった」と藤田。しかし、いざ試合が始まってみると、「うまいはうまいけど、そんなに......、っていう感じだった」と振り返る。

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