U-20日本代表がまさかの逆転負け「そこが悔やまれる」と松木玖生が語った最大の敗因 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Marcelo Endelli - FIFA/FIFA via Getty Images

 松木が振り返る。

「意図的にではなく、ビビってしまって守備に回ってしまっているところが(後半劣勢になる)一番の原因かなと思う」

 加えて松木は、すでに前半からその兆候を感じていたことを明かす。

「前半はボールを動かせていたが、(守備では)プレスのところがちょっと合わない部分があって、それが後半、時間が経つにつれて修正できなくなってきて、その部分で失点してしまった。そこが悔やまれる」

 数的優位を生かしてボールを保持し、1点リードのまま時間をやり過ごす。そんな芸当ができるほど、日本の選手たちは賢明でも、狡猾でもなかった。若さゆえと言ってしまえばそれまでだが、あまりに寂しい負け方だった。

 冨樫監督が語る。

「イスラエルは10人でリスクをとって攻めてきたので、逆に言えば、スペースはものすごく空いていた。幅と深さをとりながらボールを動かすことは、彼らの力なら十分できたと思うが、それをさせてもらえない圧力があったのかなと思う」

 1-0でリードしながら、終わってみれば、退場者を出して10人になった相手に逆転負け。まさかの、としか言いようのない結末である。

 思えば22年前、同じアルゼンチンで開かれたU-20ワールドカップ(当時はワールドユース選手権)で、日本はグループリーグ敗退に終わっている。それは過去、開催国枠で出場した1979年大会を除けば、日本が唯一決勝トーナメントに進出できなかったU-20ワールドカップだった。

 再びアルゼンチンで開催された今大会、またしても悲劇は繰り返されようとしている。

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