エース松木玖生「大舞台に強いのが自分」最高のスタートをきったU-20日本代表で攻守に存在感 (2ページ目)
前半20分には、結果的にVARによるオフサイド判定で取り消しとなったものの、あわや同点ゴールかという大ピンチもあったように、その後はセネガルがボールを保持して、日本陣内で試合を進める時間が増加。後半に入ると、その流れはさらに顕著となり、時間とともに日本は敵陣に入ることすらままならなくなった。
松木が語る。
「完全に相手の雰囲気に持っていかれたというか、前半は結構ビルドアップができたと思うが、後半になってちょっと自分たちがビビってしまって、ボールをつなげなかった」
日本のDFライン、さらには中盤も次第に後退。セネガルの猛攻に耐える時間ばかりが長くなった。DFラインを完全に破られながら、相手のフィニッシュワークの拙さに助けられたシーンもなかったわけではない。
しかしながら、劣勢だった日本が、それほど多くの決定機を作らせなかったこともまた、確かな事実である。
とりわけ奮闘が目立ったのは、日本から見て右サイドの守備。すなわち、セネガルの10番、FWサンバ・ディアロを中心とするスピーディな攻撃に対抗し続けた右SBの高井、そして右CBのDFチェイス・アンリの活躍である。
「ボールを取りきることが一番いいが、中に(CBの)アンリと(DF田中)隼人がいて、身長もあるので、最悪クロスを上げられてもいいという対応でやっていた。(自分が)抜かれて、アンリが(相手選手に)ついてきて、というのが一番よくない形だと思っていたので、まずは抜かれないようにやっていた」
高井が試合後にそう語っていたように、セネガルのスピードやコンビネーションにも振りきられることなく、日本の最終ラインは粘り強く対応。相手の武器である(セネガルから見て)左サイドの攻撃を封じることに成功した。
「ラインの上げ下げがちょっと曖昧になって、相手もどんどん押し込んできた。最後の10分とかは結構苦しかった」(チェイス)
「背後のところをちょっと気にしすぎて、ラインも低かったし、間延びしてセカンド(ボール)も(相手に)取られた」(高井)
ふたりがそんな言葉で振り返った試合最終盤の時間帯には、トップ下で先発していた松木も「セカンドボールが拾えていなかったので」と、実質3ボランチの一枚となってスペースをカバー。「クロスの時に隼人とアンリだけが下がって、その(ボランチとの)間に下がっている人がいなかったので、そこを自分が埋めようと思った」と、自らの判断でチームの危機を回避した。
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