「ポスト長友・ポスト吉田」2000年生まれ22歳コンビの評価は? 森保ジャパン「既存の序列」をぶち壊す若手は現れるか (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

【森保監督が求めるSB像とは?】

 とりわけ菅原が課題として感じていたのは、ポジショニングの部分。

 この日の日本は、ビルドアップ時にサイドバックが外に張るだけではなく、中のエリアに立ってボールを引き出す形にもトライしていたが、なかなか前にボールを運べないもどかしい時間が続いた。所属チームとは異なる役割を求められるなかで、菅原も苦心しているようにうかがえた。

「新しくトライしている部分ではあるし、初めてということもあって、もちろん課題はかなり出ていると思う」

 しかし、課題に直面しながらも、菅原はむしろその状況を望んでいるようだった。

「難しいという感じ方はしていません。僕にとって新しいサッカー観のなかにいるのは間違いないですけど、サイドバックである以上、何でもできることに越したことはない。それが今の日本代表に求められているサイドバック像でもあると思うので、そこに向けてチャレンジできているというのは、楽しいですね」

 困難であっても、前向きに立ち向かう──。淡々とした口調にも、その覚悟がうかがえた。

 ポスト吉田に名乗りを上げたのは、瀬古だった。セレッソ大阪のアカデミーで育成された強靭なセンターバックは、現在はスイスで研鑽を積む。対人プレーに強さを見せた一方、カウンターにも鋭い対応を見せ、危険な場面では身体を張る闘争心も見せつけた。

 武器とするビルドアップはなかなか効果を発揮できなかったものの「何回か見せられた部分があったのかなと思います」と悲観的ではなかった。

 ただし、フェデリコ・バルベルデにつききれなかった失点場面には悔しさをにじませた。

「センターバックとしてあれを止めるのが仕事なので、それができなかった以上、ディフェンスとしての評価は悪いと思っています」

 しかし、こうも付け加える。

「それを自分のなかで見つけられたことはポジティブに捉えています。ああいう相手とやっていくことによって、成長できると思っています」

 菅原と同様に課題が出たことをポジティブに受け止め、今後の成長につなげていく構えだ。

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