「ポスト長友・ポスト吉田」2000年生まれ22歳コンビの評価は? 森保ジャパン「既存の序列」をぶち壊す若手は現れるか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 新章に突入した森保ジャパンにおいて顕著だったのは、ベテラン外し──。

 吉田麻也(シャルケ/34歳)、長友佑都(FC東京/36歳)、酒井宏樹(浦和レッズ/32歳)ら長年日本代表を支えてきた30代のベテランを軒並み招集せず、バングーナガンデ佳史扶(FC東京/21歳)、中村敬斗(LASKリンツ/22歳)ら20代前半の若手を数多くメンバーに選んでいる。

「ポスト長友」として期待される22歳の菅原由勢「ポスト長友」として期待される22歳の菅原由勢この記事に関連する写真を見る カタールワールドカップのメンバー26人のうち、今回招集されたのは15人(ケガで離脱した冨安健洋を除く)。つまり11人が入れ替わったことになる(うち4人が初招集)。

 その11人のなかからウルグアイ戦のスタメンに名を連ねたのは、菅原由勢(AZアルクマール/22歳)と瀬古歩夢(グラスホッパー/22歳)のふたり。ともに招集経験はあるものの、前者の代表キャップ数は1で後者は0。日本代表の未来を占ううえでも、いわば新戦力である彼らのパフォーマンスが、このウルグアイ戦の注目ポイントだった。

 ポスト酒井、あるいは長友として期待される菅原は、この試合で十分な爪痕を残したと言えるだろう。

 精度の高い右足と攻撃センスに優れるサイドバックは、21分に大外から巻き込むようなスルーパスを浅野拓磨(ボーフム/28歳)に通し、決定機を演出。1点ビハインドの75分には、前を行く伊東純也(スタッド・ランス/30歳)を走らせる正確なフィードを送り込み、同点ゴールの起点にもなった。守備でも対峙したディエゴ・ロッシを激しく食い止めるなど、危険なシーンを作らせていない。

 しかし、代表2試合目で初のスタメン出場を果たし、89分までプレーした菅原だが、自己評価は厳しいものだった。

「自分の強みを出せたかと言われたら、そうでもないという感じですね。チームとして新しいやり方をトライしていたのはありますけど、ボールを持った時の右足のパスは自分の強みなので、もっとビルドアップに関わるべきだったし、空いたスペースを見つけてそこに配球したり、サイドバックのところからもっと発信しなければいけなかった」

 伊東に通したパスについても、「意図したところにボールを送れたと思いますけど、単純に純也くんの足がめちゃくちゃ速かったので、そこに助けられた部分もあります」と、満足はしていないようだった。

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著者プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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