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サッカー日本代表、これからの注目点を福田正博が挙げる。テーマは「ビッグクラブのレギュラー」と「パリ五輪世代の突き上げ」 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Fujita Masato

【欧州ビッグクラブのレギュラーが増えてほしい】

 この流れは今後さらに強まるだろう。フィジカルコンタクトの強度と戦術へのフレキシブルな対応力を日常的に求められるヨーロッパのサッカーシーンで、存在感を示せた選手で日本代表は形成される。

 もちろん、海外組だからと言って、もうそれだけで重宝される時代ではない。どこの国のリーグの、どのクラブでプレーしているのか。そういうところも重視されるようになるはずだ。

 これはカタールW杯でベスト8に残った国を見れば明白だ。アルゼンチン代表やフランス代表は言わずもがな。日本代表がPK戦で屈したクロアチア代表にも自国リーグの選手がいる一方で、バロンドール受賞者のルカ・モドリッチがいた。セリエAやプレミアリーグの強豪クラブを渡り歩くイバン・ペリシッチもいた。4位のモロッコ代表にもヨーロッパ生まれで、ヨーロッパクラブ育ちの選手がいて、トップリーグのビッグクラブでプレーする選手もいる。

 日本代表はこの4年間で世代交代が進み、選手層も以前に比べたら厚みは増した。カタールW杯で交代カードが機能したのは事実だが、見方を変えれば、それ以前のW杯では交代カードが機能しないくらい日本代表の選手間は力量差が大きかったということでもある。それがカタールW杯ではようやくスタメンとベンチの選手で力量差がなくなり、交代枠が機能するようになった。

 ただし、これは日本代表の過去とカタールW杯の比較にすぎない。世界の強豪国と比べたらまだ足元にも及んでいない。ワールドカップでベスト8、ベスト4、ファイナリストになろうとするには、ほかの強豪国の代表選手のようにビッグクラブでスタメンを張る選手がもっと増えてこなければ、それは絵に描いた餅と同じである。

 そのためにも、現在海外クラブでプレーしている選手には、ステップアップの移籍ができるような活躍をしてもらいたい。そして、ビッグクラブでレギュラーとしてプレーする日本選手がここからひとり、ふたりと増えていけば、それは日本サッカー界全体への刺激になっていくはずだ。

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