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サッカー日本代表、これからの注目点を福田正博が挙げる。テーマは「ビッグクラブのレギュラー」と「パリ五輪世代の突き上げ」

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Fujita Masato

福田正博 フットボール原論

カタールW杯総括後編「固定観念が覆ったアルゼンチン優勝」>>

■サッカー日本代表は、昨年末に森保一監督の続投が決まった。福田正博氏はこれからの4年をどう見ているか。カタールW杯の戦いぶりも振り返りながら、今後の注目点を挙げてもらった。

サッカー日本代表は次の4年に向けて大きなテーマがあるサッカー日本代表は次の4年に向けて大きなテーマがあるこの記事に関連する写真を見る

【森保監督継続のメリット】

 昨年のカタールW杯から1カ月ほどが経ち、新しい年を迎えたなかで日本代表はすでに次のワールドカップに向けて動き始めている。昨年末に森保一監督の続投が決まり、ふたたび新たな景色を見るための戦いがスタートした。

 個人的には、カタールW杯後の森保監督にはのんびりしてもらいたい気持ちが半分ほどあった。その理由はカタールW杯での「掌返し」だ。ドイツ戦、スペイン戦の勝利で、多くのメディアは森保監督を賞賛するように変わったものの、それまでの4年間は批判ありきのサッカー評に溢れていた。

 それでも森保監督は結果を残した。「見返してやった」と本人は思っていないだろうが、もう批判ありきの立場を受けずともいいのではないか、と思っていた。

 しかし、森保監督は継続する決断をした。もう半分はこれを後押ししたい気持ちである。なぜなら、森保監督は日本サッカー界がW杯に出られない時代から、ここまでの流れを知っているからだ。

 日本代表は、W杯に出られるようになってからも、毎大会のように課題を指摘されてきたが、監督が4年ごとに交代するためにその課題を繰り越してきた。

 ジーコ監督は「フィジカル」、アルベルト・ザッケローニ監督は「インテンシティ」、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「デュエル」。表現する言葉は違えど、つまるところ日本人の弱点は身体的な強度に変わりはない。「フィジカルが弱い。だから、どうすべきなのか」。本来はここへの取り組みが重要なのだが、継続性を欠いたことで、そこは次の監督に託されてきた。

 また、日本代表監督が4年間で交代することで、前任者が築いたサッカーは崩され、またゼロから構築される点もデメリットだった。故イビチャ・オシム監督のようにJリーグを知り、日本人選手を知り、日本サッカーを取り巻く環境などを理解し、そのうえで日本代表監督になれば別だが、海外からいきなり連れてこられた監督の場合、日本サッカーと選手を知るところから始まる。ここで生じる"タイムラグ"によって、代表チームの強化が後手を踏んできた面がある。

 こうした懸念点は、森保監督が継続することで解消されるだろう。カタールW杯を戦ったチームをベースにしながら、これからの時間でどう進化させるのか。そこへの期待が膨らむ監督人事になったとも感じている。

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