松木玖生は「自分の名前を海外に広げたい」。U-19日本代表で異彩を放ったスーパールーキーの野望 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

【U-20W杯もパリ五輪も出たい】

 その一方で、冷静さを欠いて試合中の得点経過を勘違いし、プレーの選択を誤る場面もあった。また、ボランチでのプレーを得意とする松木だが、この日は左サイドでの起用だったこともあり、周囲への声がけや連係で課題を残した。

 チームとしては3−0とリードしたが、終盤にPKを含む2失点を喫し、3−2で試合を終えている。

「サッカーは多くの得点を取るスポーツなので、そこは求めていくところだとは思うけれど、引いて守る練習もしたので、それをもう少し試合で出せたらと。外からの声を大事にしつつ、監督も言っていたけれど、結局やるのは自分たちなので。最後は日本の詰めの甘さが出たのかなと思います」

 得点と勝利といううれしさよりも、強い反省の言葉を残した。

 松木は昨年9月、ひとつ上のカテゴリであるU-21代表に選ばれ、U-23アジアカップにも参加した。だが、自身が一番上の年代として臨むことができるのは、こちらの2003年以降生まれを対象としたU-19代表ではある。

 昨年11月、U-21代表はこのU-19と同時期にスペインで合宿も行なっていた。モチベーションの難しさはないだろうか。

「もちろん上のチームにも行きたいですけど、この代表の年代では来年U-20ワールドカップがあるので、そこに絶対選ばれて自分の名前を海外に広げたいという思いがある。それをモチベーションにやっています。もちろん(2024年のパリ)オリンピックがあるので、できれば両方行きたい」

 代表で海外遠征に出ると当然、日常とは違う刺激を受ける。自然と将来についても考えるようになる。

「毎回こういう合宿にくると、得られる刺激があるんです。日本では味わえないようなサッカーの仕方をしてくる。(この日戦った)スロバキアもそうですけど、この先戦うスペインやフランスもいいサッカーをするから、意識が変わっていくし、ワールドカップを戦っていくいい弾みになるんじゃないかなと思います。海外でプレーしたいと思うようにもなります」

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