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カタールW杯現地観戦のカカロニすがやがサポーターの熱狂を語る。「あれだけスタジアムが一体となった日本コールは記憶にない」

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

激闘来たる!カタールW杯特集

カカロニすがや のカタールW杯熱闘記 前編

後編「カカロニすがやが感じた、試合以外でのカタールW杯」>>

サッカー大好きで"W杯芸人"とも言われている「カカロニすがや」さんが、ブラジル、ロシアに続き、カタールW杯も現地観戦&ガチ応援! ドイツ戦やスペイン戦のスタジアムの様子、日本サポーターの熱気はどうだったのか。熱く、生々しく語ってもらった。

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サッカー日本代表をカタール現地で全力応援してきた、カカロニすがやさん(写真:本人提供)サッカー日本代表をカタール現地で全力応援してきた、カカロニすがやさん(写真:本人提供)この記事に関連する写真を見る

【スタジアム全体が一体となった日本コール】

 僕はこれまでブラジルW杯、ロシアW杯と現地観戦をしてきて、カタールW杯が3大会目になりました。ブラジルに乗り込んだ時は日本が勝てると信じていて、ロシアでは絶望感みたいなものが漂いつつ、それでも勝利を信じていました。

 今回、カタールに乗り込んだ時は、日本は強いし、勝ってくれると信じているけど、相手も尋常じゃなく強い。なにか、今までにないワクワクとした気持ちを持ってスタジアムに向かいました。

 第1戦のハリーファ国際スタジアムに入ると、多くのドイツ代表のユニフォームを着た人たちがいました。でも、W杯のスタジアムは両国のサポーターよりも現地の中立な立場で見ている観客が多いわけです。観客席がカタールの人たちが着ている白い民族衣装で染まった光景を目の当たりにして、自分たちの応援で日本の空気を作らなければという使命感が芽生えました。

 前半は、こんなにも45分が長いと感じたことはありませんでしたね。ドイツに押し込まれて、みんな声には出さないけれど、心のなかで「苦しいな」「なんとか堪えてくれ」と祈りにも似た感情を抱きながら声を出している雰囲気がありました。ハーフタイムを迎えた時には「はぁ、やっと終わった。よく1失点で帰ってきたな」という思いでした。

 それでもサポーターはみんな、サッカーがどういうものか知っています。とくにJリーグのサポーターは、天皇杯とかで番狂わせを散々見てきました。だから絶対にどこかで流れが変わる。絶対にドイツがヘタる時間帯が出てきて、絶対にチャンスが回ってくる。みんなそう口々に言っていました。

 それと、前日にサウジアラビアがアルゼンチンに勝ったことも勇気づけてくれました。ふだんは彼らを仲間という目で見たりはしないんですけど、W杯の時だけは同じアジアの仲間意識がどうしても湧いてくるものです。だからサウジが番狂わせを成し遂げたので、自分たちもやれると信じられました。

 ハーフタイムの間も、スタジアムは中立の人たちがドイツのサッカーを楽しんでいる雰囲気でした。それとメインスタンドの日本人もおとなしく見ている感じで、まだ日本の雰囲気にはできていませんでした。

 それが変わってきたのは、日本が同点に追いついてからです。その直後に逆転した時には、明らかに会場の雰囲気が一変して日本に傾きました。なかには、ドイツのユニフォームを着ながら日本のゴールを喜んでいる観客もたくさんいました。それからメインスタンドに座っている日本人からも自然と声が出るようになって、スタジアム全体が日本を応援するようになりました。

 ロシアW杯のベルギー戦も近い雰囲気がありましたけど、あれだけスタジアム全体が一体となって日本コールが鳴り響いたのは記憶にないです。

 僕らのなかでは「ドイツが4年前の悪夢を思い出して飲まれてるぞ!」と。サポーターにできることはそんなに大きくないと僕は思っているんですけど、それでももっとドイツを追い込んでやるぞっていう思いでした。

 ゴール裏にはJリーグの各クラブのコールリーダーの人が多いんですけど、周りの若手のサポーターが「あの人があんな声出してるの初めて見た」と言うくらいみんなが声を出さずにはいられなくて。その熱量に地元の人たちも巻き込まれて、あの応援がうねりとなって作り出す雰囲気は特別だったと思います。

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