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日本代表はツイていた。再びさらけ出した弱点に目を向けなければ、歴史的な勝利も無駄になりかねない (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 と同時に、選手の口から勝因として挙げられたのが、「前半を1失点に抑えたこと」(長友)である。

「0-1で(前半を)折り返したのが大きい」(吉田)

「0-1なら何でも起こるのがサッカー。今日はそれが出た」(MF伊東純也)

 いかに後半の策が奏功したとはいえ、前半のうちに日本が2点以上失っていれば、それ以前に勝負が決していた可能性は極めて高い。

前半はドイツの攻撃に後手を踏んで、再三ピンチに陥っていた日本前半はドイツの攻撃に後手を踏んで、再三ピンチに陥っていた日本この記事に関連する写真を見る だからこそ、0-1で折り返せたことが大きかったわけだが、そこには多分に運が含まれていたこともまた否定できない。日本が見せたもうひとつの顔、すなわち守備に追われた前半は2点どころか、3、4点取られていても不思議はなかったからだ。

 4-2-3-1をベースとするドイツが、左サイドバックのDFダビド・ラウムを攻撃時には高い位置まで押し出してきたことでミスマッチが生じ、日本の守備は混乱。前半の日本は、ドイツがテンポよくつなぐパスに後手を踏み、次々と決定的なシュートを許していた。

 後半開始から3バック(実質5バック)に変更し、前半に比べて守備が落ち着いたのは確かだが、それでも後半60分あたりまでは、MFイルカイ・ギュンドアンのシュートがゴールポストを叩くなど、ドイツの攻勢が続いている。

 にもかかわらず、失点はPKによる1点のみ。0-1で前半を終えることができたのは、ドイツの拙攻によるところも大きかった。それは紛れもない事実である。

 結果が出た今となっては、日本が粘り強く守ったとも言えるが、日本が"もうひとつの顔"を見せる前に、勝負が決してしまった危険性は十分にある試合だった。

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