日本代表最大の不安材料は森保一監督。終盤の3バック変更は何を意図しているのか (3ページ目)
生まれ変わることはできるのか
そこで森保監督が採用した3-4-3と3-4-2-1の中間型のような3バックは、先述のように相馬と堂安が1トップ上田綺世の近くで、シャドープレーヤー然と構えたわけではなかった。そのうえ1トップ下(南野)がベンチに下がったわけだ。そうしたいわば半分孤立したような状態でプレーすることが、上田より格段にうまいのが、大迫勇也だ。ボールを高い位置で保持する力がある。
カナダ戦は大迫不在を痛感させられた試合でもあった。日本の攻撃は立ち上がりからプレッシング頼みだった。相手ボールを奪った勢いで、相手の陣形が整わぬうちにゴールに迫ることはできても、一から組み立てることはできなかった。高い位置でボールが収まらなかったからだ。
1トップとして先発した浅野拓磨は、言わずと知れたスピード系だ。ボールを収める術はない。だが、近くで構える1トップ下にその力があれば話は変わる。ボール回しは円滑になる。浅野の1トップ起用で問われたのは、1トップ下で先発した南野の、浅野に足りない要素を補う力だった。ところがそれはまるで発揮されなかった。
日本のパスワークとカナダのパスワークと展開力を比較した時、日本が劣ることは一目瞭然で、それは大迫の不在を嘆きたくなる瞬間でもあったのだ。
南野では力不足。1トップ下にはやはり鎌田大地を据えたい。トップ付近にボールが収まらないと、展開のなかに日本の技術を反映することはできにくい。
また、この試合では低身長国の悲しさも味わうことになった。セットプレーの際には、ことごとくピンチに陥った。解決策は残念ながら見当たらない。
冨安健洋、守田英正、遠藤航、三笘薫。この試合を欠場した4選手が、ドイツ戦のピッチに立てるのかという問題も抱えている。合流が遅れていた三笘は、17日深夜、無事にドーハ入りしたそうだが、カナダ戦の前半でベンチに下げた久保建英の使い方を見ていると、ドイツ戦の先発は三笘ではなく久保であることが透けて見える。筆者が見るに、戦力ダウン必至である。
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