元日本代表・名良橋晃が選んだ歴代日本人右サイドバックトップ10。「神出鬼没」「涼しい顔で上下動」「世界に見せたかった」選手たち (2ページ目)
涼しそうな顔で上下動を繰り返す
8位 波戸康広(元横浜F・マリノスほか)
波戸選手は、横浜フリューゲルスの最後の年で第78回天皇杯に優勝した時に、準決勝で対戦して、すごくインパクトがあったのを覚えています。
彼はSB以外にも3バックの右センターバック(CB)もできるし、非常にユーティリティ。気が利くし、クレバーな選手でした。
すごく堅実で、ミスが少ないのが印象的でした。その読みだったり、緻密さだったりは、趣味の将棋をやっていたこととつながっていたのかなと思いましたね。
横浜フリューゲルスから横浜FM、柏レイソル、大宮アルディージャといろんなクラブでプレーしましたけど、どのクラブでも監督としては非常に計算が立つ選手だったと思います。攻守に無駄がなくて、スピードもあって、相手からすると嫌な選手でした。
7位 徳永悠平(元FC東京ほか)
徳永選手は皆さんもご存知のとおり、まさに鉄人でした。とにかく体が強靭で、ケガにも強く、フィジカルの強さはSBとしては際立っていました。高さがあったのでCBもできるユーティリティな面もあって、「CBもできるSB」の先駆的な選手でした。
基本は守備から入りながら効果的に攻撃参加ができる選手で、スピードとスタミナも豊富だったから、今の時代に徳永選手がいたらヨーロッパのクラブでもプレーできたでしょう。
上下動を繰り返すなかで、キツそうな顔をしないんですよね。涼しそうな顔で淡々とプレーしている印象が強くて、まるで必殺仕事人という感じでした。そこのタフさは、国見魂(国見高校出身)を持ち続けていたところなのだろうなと思わせる選手でした。
6位 駒野友一(FC今治)
駒野選手は左右どちらでも遜色なくこなせて、一体どっち利きなんだというくらいの左右のキック精度が抜群ですよね。なおかつスピードもあって、走力的にタフに戦える。SBとしてお手本のような選手です。
経験があるし、戦術理解度も高いので、どんなチームでも監督が求めていることを確実にやってくれるし、そのなかで自分のよさも出せる柔軟性も持っています。
いつどのタイミングで上がるべきかの判断が的確。SBは無駄走りが必要だと言われますけど、本来なら無駄にならないのが一番です。その点で駒野選手はその判断に優れていて、だからこそあの年齢でも現役を続けられているのだと思います。
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