海外組中心の日本代表を上回るコンビネーション。E-1選手権で横浜F・マリノス組が示したもの (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

 6-0と大勝した初戦の香港戦では、先発11人中5人が横浜FMの選手だったが、第3戦の韓国戦では、さらにひとり増え、先発11人中6人が横浜FM勢。

 特に右サイドからの攻撃では、DF小池龍太とMF水沼宏太が組む縦のラインに、2ボランチのMF岩田智輝、藤田譲瑠チマ、さらにはトップ下のMF西村拓真が絡み、鮮やかなコンビネーションを披露した。

 事実、韓国から奪った3ゴールのうち、流れの中からの2点は、どちらも横浜FMのユニットが作り出したチャンスによって生まれたものだ。コンビネーションということだけで言えば、ワールドカップ最終予選を戦った海外組中心の日本代表より上だろう。

 現代サッカーにおけるトレンドとも言うべき、ニアゾーンの攻略と、そこに敵の意識を集めたうえでの逆サイドへの展開。いずれもが美しい崩しからのゴールだった。

 3点目のゴールを決め、大会得点王となったFW町野修斗が語る。

「マリノスは龍くん(小池)が受けた位置(ニアゾーン)をとるのが特徴的なチーム。右サイドはマリノスの選手が多くて、試合前からニアゾーンをとれると話していたので、(自分は)中で待ってるねと話していた。狙いどおり、思いどおりのゴールだった」

 今季の横浜FMは、プレーの強度や質という点において、J1でも頭ひとつ抜けたサッカーを繰り広げている。

 今大会で出色の働きを見せた藤田が、以前の取材で横浜FMへの移籍を決断した理由について、「このチームは海外のチームに近いサッカーをしている」ことを挙げていたように、世界最先端の潮流に沿ったサッカーを展開していると言ってもいいだろう。

 すべての試合で実現できるわけではないにしても、アベレージは明らかに高い。それは徐々に独走態勢を築きつつある、J1での結果にも表れている。

 そんな横浜FM勢を中心とした日本代表が、同じく国内組中心の韓国代表をあらゆる面で圧倒したことの意味は、非常に大きいだろう。

「優勝とともに、選手たちがJリーグや自分たちの価値を示す、上げるという志を持って戦ってくれた」

 森保監督もそう語っているとおりだ。

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