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森保一監督はE-1選手権で何がしたいのか。選手のやる気を搾取するだけで終わらないでほしい (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 初戦の香港戦では、横浜FMの選手を中心(先発11人中5人)に4-2-3-1の布陣が組まれ、即席にもかかわらずそれがうまくハマったように、中国戦では、広島の選手を中心に3-4-2-1で戦う手はあったはず。そのほうがずっと理にかなった編成であり、チーム全体が機能する可能性の高い選手起用だったに違いない。

 ひいては、この大会を3連勝で優勝するという目標に対しても、より賢明な対応となったはずである。

 ところが、実際にピッチ上で起きたことと言えば、4-2-3-1にこだわり、選手を慣れないポジションに当てはめ、その結果、機能不全に陥ったという結果だった。

 4-2-3-1(あるいは4-3-3)ありきなら、登録メンバー26人を選ぶ段階で森島ではなく、もっとウイング的な選手を招集すべきだったはずだし、選手ありきなら、その特長をもっと生かせるポジションが用意されるべきだった。

 森保監督は3バックも戦術オプションのひとつと認めているのだから、ここでシステムに変化を加えることは、ワールドカップへの準備という意味でも決して不自然なことではない。3バック仕様に対応できる選手を探しておくことは、ワールドカップへ向けた必要な準備だったはずである。

 つまり、この大会の目的が3連勝での優勝であろうと、選手選考を含めた本番への準備であろうと、あるいはその両方であろうとも、どっちつかずで曖昧な選手起用だったように思えてならないのだ。

 この大会で、森保監督は何をしようとしているのか。

 選手はよく戦っている。それだけに、国内組のやる気を搾取するだけで終わってしまえば、あまりにも寂しい。

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