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サッカー日本代表の定まらない攻撃の形。森保監督は本番を想定して戦っているのか? (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

攻撃的に行く時の形ははっきりしていない

 また、敵陣でのくさびの縦パス本数も14本(前半6本、後半8本)と、パラグアイ戦の3本(前半0本、後半3本)と比べて増加。中央を固められたことで上田が中央で受け手となったのは2回しかなかったが(そのうち1回はロスト)、ポゼッションするなかで、久保や三笘を中心に比較的浅いエリアで受けるシーンは多かった。

 ちなみに、サイドからのクロスボールの本数は13本(前半6本、後半7本)。こちらは、パラグアイ戦の14本(前半4本、後半10本)とほぼ変わっていない。

 これらのスタッツやピッチ上で起こっていた現象を見てみると、やはり今回の試合でも、4-3-3で戦う時の日本の攻撃は、出場選手の特徴や相手の戦術によって大きく変化する傾向が見てとれる。

 その点において、たしかに「誰が出てもチームを機能させることはできた」と言えるかもしれない。しかし、どのように機能していたかを見てみると、極めて偶発的な機能、もしくは選手のアドリブによる機能と言わざるを得ない。

 現状、アジア最終予選を勝ち抜いた試合の遠藤、田中碧、守田英正のトリプルボランチで構成する4-3-3と、遠藤、柴崎、久保の3人で中盤を構成した今回のガーナ戦では、同じ4-3-3でも、同じチーム戦術として括ることはできない。

 仮に前者が守備的布陣とするならば、インサイドハーフに本来アタッカーの久保とゲームメイクを得意とする柴崎を配置した後者は、攻撃的布陣にカテゴライズできる。

 だとすると、これまで森保監督が攻撃的に戦う時に採用する4-2-3-1の採用目的はどこにあるのか。ガーナ戦の4-3-3と、昨年11月のオマーン戦の後半、3月のベトナム戦の後半、パラグアイ戦の後半途中から採用した4-2-3-1では、どちらのほうがより攻撃的だと判断したうえで、布陣をチョイスしているのか。

 普通に考えれば、少なくともW杯本番のドイツ戦やスペイン戦では、トリプルボランチで中盤を構成する守備的な4-3-3を採用する可能性が高いだろう。問題は、仮に先制されたあとにゴールを目指そうとする時だ。

 選手だけを攻撃的な駒に入れ替えた4-3-3を維持するのか、それとも前線に攻撃の駒を増やした4-2-3-1に変更するのか、本番まで残り3試合しか残されていない状況でも、まだはっきりとしていない。

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