サッカー日本代表の定まらない攻撃の形。森保監督は本番を想定して戦っているのか? (4ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

本番を想定した準備はしているのか?

 それは、この試合の80分からテストした3-4-2-1にも言えることだ。おそらくこの布陣は守備重視の戦況で採用する布陣だと思われるが、その目的があったとすれば、本来は右ウイングバックに伊東を使う選択はないはず。

 それを考えると、今回の3バックへの布陣変更は、そこまで明確な意図の下で採用されたものではなく、選手交代の順番から突発的にテストしたと見るのが妥当だろう。

 いずれにしても、パラグアイ戦もガーナ戦も、守備戦術の機能については判断材料が乏しかったため、ブラジル戦以外は攻撃面の確認しかできないのが実情だ。その意味では、パラグアイ戦もガーナ戦も、選手個人のテストだけではなく、もう少し本番を想定したベンチワークのテストにもトライすべきだったのではないか。そのほうが、出場した控え組の選手たちも、より本番を想定してプレーできたと思われる。

 パラグアイ戦も含め、今回のガーナ戦はチームとして本番用とは異なる設定で戦っていた印象は拭えない。そういう意味で、6月シリーズの最終戦となるチュニジア戦は、本大会用の監督采配をテストする場として挑んでもらいたい。

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