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日本代表の攻撃に「マンチェスター・シティを想起」。スペインの名指導者が評価した点と 2つの警鐘

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

「日本は戦術的な動きが際立っていた。とりわけ、サイドバック、インサイドハーフ、サイドアタッカーの関係性は抜群だった」

 スペイン人指導者、ミケル・エチャリはそう言って、日本が4-1でガーナに勝利した一戦を高く評価した。

「サイドアタッカーが幅を作り、サイドバックが深みを作り、インサイドハーフがふたつのポジションを補完し、連結させる。3人が自在に動くことで、守備陣を幻惑する。山根視来の先制点は、その典型だった。山根、久保建英、堂安律、そして山根というつなぎからのフィニッシュは、マンチェスター・シティの得点パターンを想起させた」

 シティのヘッドコーチであるフアン・マヌエル・リージョの師匠でもあるエチャリの表現だけに、相応の説得力がある。

「森保一監督はW杯に向けて複数の選手を用い、戦力アップを図っている。システムは基本的に4-3-3だが、選手のキャラクターの違いで、また違う顔も見せつつある。たとえばパラグアイとブラジルでは相手のレベルも違うだけに、ベストの選択を模索しているのだろう。

 ガーナ戦はソリッドなブロックは保ちながら、攻撃は戦術的な連係が目立ち、終始、優勢な展開になった。

 ガーナは5-3-2でブロックを作って迎え撃つ形で、攻撃はカウンターに狙いを絞っていた。しかし、ボールを奪っても奪い返される展開が多く、ほとんど攻撃機会が作れていない。日本と比べれば、戦術的成熟度の低さを露呈した。

ミケル・エチャリが高く評価したガーナ戦の堂安律ミケル・エチャリが高く評価したガーナ戦の堂安律この記事に関連する写真を見る 序盤から際立っていたのは、ガーナを翻弄した堂安のプレーだ。

 もともと堂安のテクニックレベルは瞠目に値したが、この日はプレービジョンの高さを感じさせ、とにかくクレバーだった。どこにいるべきか、どのように動くべきか、ダイアゴナルの動きひとつとっても質が高かった。準備の面で上回っていることで、何度もインターセプトを実現させ、相手のカウンターの侵入路も防いでいた。攻撃でも、山根、久保との連係度が高く、そこで優位にプレーを動かし、逆サイドのプレーにまで好影響を及ぼしている。

 森保監督にプランを練り直させるほどのプレーだったのではないか?」

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