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日本代表のブラジル戦でのベスト選手。スペインの名伯楽が挙げた名前とは (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

PKは不運だった

「後半も守勢は変わらなかったが、敵のスペースを消し、『いい守りがいい攻めを作る』というチームのベースを守って、好機も作り出している。

 右サイドバックに入った長友が、伊東純也とのワンツーから駆け上がって、深さを取ると、そこから折り返した。ボールは弾きだされたが、こぼれ球を田中碧が狙って大きく外れている。また、左サイドでパスをつないで攻め込み、クロスの折り返しをファーで伊東が狙った。

 しかし、ブラジルの優勢は動かない。

 75分、日本は波状攻撃を受けると、エリア内で遠藤がブラジルの選手を倒してしまった。ブラジル陣営からも当初は訴えが出ないほどの微妙なプレーだったが、PKを献上。これをネイマールに沈められ、リードを許した。

 正直に言えば、このシーンの遠藤航は気の毒だった。この試合でも1、2を争う日本のベストプレーヤーであったのだが......。ただし、彼は前半も持ち場を捨ててサイドに出て、危険なゾーンを空けてしまったり、相変わらず自陣での不必要なファウルも多かったり、W杯に向けてプレーに改善の余地がある」

 エチャリは多くのプロフェッショナルがそうであるように、高く評価する対象に対して、より強く要望する。

「日本もブラジルのゴールに迫っている。残り15分は優勢に試合を進めた。交代出場の堂安律が左足で蹴ったCKを、遠藤がヘディングで狙ったシーンは1点に近かったと言える。また、同じく交代で入った三笘薫がワンツーを使ってエリア内に侵入したところ、倒されたように見えた。しかし、主審の笛は鳴らなかった。引き分ける可能性は見えたし、決められたPKはやや不運だった。

 チッチ監督の『ワールドカップレベルの試合だった』という表現は誇張ではない。ただし、最後はリードしたブラジルが手を緩めていたとも言える。多くの選手を交代させ、リズムの狂いもあった。日本に追い詰められていたわけではない」

 最後にエチャリは、ブラジル戦を総括するように、日本のベストプレーヤーの名前を挙げた。

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