日本代表のブラジル戦でのベスト選手。スペインの名伯楽が挙げた名前とは
「世界でもトップクラスの選手が集まったブラジルを相手に、日本は劣勢を強いられていた」
スペインの慧眼、ミケル・エチャリは、日本が0-1と敗れたブラジル戦を冷静に振り返った。
「しかし、森保一監督が率いる日本は4-3-3の戦術を守備的に、しっかりと運用できていた。それぞれのラインのバランスを保ち、90分間、"ほとんど耐えた"と言えるだろう。ロングボールは蹴らずにつなげる姿勢を見せ、スピードとテクニックの融合で攻撃でも相手の隙を狙っていた」
スペインの名門、レアル・ソシエダで20年近く強化部長などの要職を歴任したエチャリは、森保ジャパンの戦いに及第点を与えた。
「パラグアイ戦に続いて、日本はブラジルと強化試合を行なった。システムは4-3-3で、真ん中を固めただけではなく、サイドも攻撃的選手が戻って連係した。特徴的だったのはサイドバックだろう。右に長友佑都、左に中山雄太を用い、スピードとパワーと守備の強度を担保しつつ、高い位置で攻撃できた時は積極的に攻め上がった。攻撃のオプションも捨ててはいない。
ブラジルは4-4-2が基本だったが、トップのネイマール、ルーカス・パケタはアンカー脇を狙い、サイドバックは常にどちらかがウィングに近いポジションを取り、3-4-3、あるいは3-3-2-2と流動的に変化させた。個の能力の高さもあるが、壁パスやワンツーという基本技術の質が高く、コンビネーションが出ると日本に難しい判断を迫った。
序盤からブラジルは攻勢を続けた。ヴィニシウス・ジュニオールが横パスをゴール前に流し込み、ネイマールがヒールで流し、パケタが決定機を作る。ラフィーニャ、フレッジが際どいチャンスをつかみ、ネイマールはすばらしいミドルを放った。
ミケル・エチャリがブラジル戦のベストプレーヤーに挙げた板倉滉この記事に関連する写真を見る 日本は守備陣の健闘が目立っている。前半の途中まではプレッシングをかけつつ、ポゼッションを守備に使っていた。ブラジルの猛攻を受けるたび、リトリートせざるを得なかったが、攻守の均衡はどうにか保っていた」
エチャリはそう言って、日本の前半の戦いを高評価した。
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