日本代表にまたも新鮮味なし。大迫、長友は代表にふさわしい活躍ができているのか (3ページ目)
今季先発0の長友がなぜ選ばれるのか
2019年のE-1選手権以来の招集となる上田綺世を、森保監督はその候補と考えているのだろうか。大迫も元鹿島。鹿島つながりに活路を求めようとしているのだとすれば、上田の前に選ぶべきは鈴木優磨だと考える。
鹿島の現在のアタッカー陣で、最も評価すべきは鈴木。上田ではない。鈴木のほうが、実際にプレーしてみなければ、その日の調子がわからない上田より何倍もアテになる存在だ。カバー可能なエリアは上田より広い。多機能性でも上回る。1トップも兼務できそうな鎌田を外してまで抜擢するなら、上田ではなく鈴木。オーストラリア戦に勝利し、続くベトナム戦が消化試合になれば、先発で起用すべきだとさえ言いたくなる。
2022年カタール大会は、選手交代5人制で行なわれる初のW杯だ。浮沈のカギを握るのは多機能的選手の数だ。その数と成績は比例すると言いたくなるほど、重要な要素になる。大迫の後任もそのコンセプトで探られるべきである。
しかし、大迫の比ではないほど偏愛が疑われるのは長友だ。FC東京の一員として、長友が今季スタメンを張った試合は0。開幕からの3試合中、出場したのは2試合で、いずれも交代出場だ。出場時間も合わせて79分にしかすぎない。
しかも、代表でプレーする定位置=左サイドバック(SB)では、プレーできていない。右SBとして先発する渡邊凌磨と交代で、その後釜に座る。左SBは小川諒也。少なくともFC東京のアルベル監督が、左SBとして長友より小川が勝ると見ていることが、この事実から判明する。その小川は今回も選外だった。森保監督には、佐々木翔のほうが上に映るようだ。
長友が20歳の若手なら、森保監督の判断に対し、先を見据えた大抜擢だと拍手を送っているかもしれない。しかし、35歳の選手に対する扱いだ。日本の左SBは現状、閉ざされた、募集されていないポジションとなっている。現在、左SBを生業にしている選手たちが気の毒に思えてくる。
別の選手で戦うことを監督自らが恐れている。他に選択肢を求める余裕がなくなっている。
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