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久保建英はじめ日本代表で「非主力」の欧州組が躍動。代表監督に求められる最善の選択と手腕 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

【久保建英が残留争いの天王山で魅せた】

 日本代表の試合では、交代出場でクローザーのように走り回っていた前田大然(セルティック)はスコットランドに戻って即、交代出場。直近の試合では先発し、自慢の野性味を生かしたゴールを決めている。中国戦で後半40分から出場しただけの堂安律も、オランダでリーグ優勝を争うPSVで攻撃の一翼を担い、直近の試合も先発出場していた。

 際立ったのがスペイン、マジョルカでプレーする久保建英の活躍だ。

 中国戦に後半途中から出場しただけで終わった久保は、スペインに戻ってすぐにカップ戦に出場。そこでは目立った活躍ができなかったが、続く直近のリーグ戦、カディス戦は先発出場し、チームを2-1の勝利に導いた。

 残留争いの天王山と言われる試合で、攻守にわたって殊勲のプレーだった。10分、久保は中盤に下がってボールを引き出すと、前を向いてボールを運び出す。攻撃の流れを作り出し、左CKではボールを長身FWの頭にぴたりと合わせた。

 セットプレーでの左足キック精度は高く、その後も好機を演出。15分過ぎには右サイドでパスを受け、クロスはブロックされるも、五分五分のボールをヘディングで競り、こぼれを味方がゴール前に入れる。これでPKを得て同点にした。

 守備でも、チェイシングや"絞り"で大人のプレーを見せ、敵ボールを突き出すなどリズムを作った。右から中にカットインし、逆サイドを攻め上がった味方の好機を創出。圧巻は29分のプレーで、呼吸が合うダニ・ロドリゲスからのサイドチェンジを右サイドで受け、右足で完璧に止めて敵DFを惑わすと、左足でクロスを送った。43分にも、くさびの戻しのボールを受けると敵2人を外して左足シュート。外に逸れたが、タイミングを外す高難度の一撃だった。

 決勝点となる2点目も、久保がセットプレーのあとのボールを粘って持ち出し、カウンターで相手にイエローカード覚悟で潰され、奪ったFKからのPKだった。

「久保はすばらしい試合をした。ボールに触るたびにスペクタクルの予感。ドリブル、クロスは危険が漂い、"攻撃の解決策"をもたらした」

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