久保建英はじめ日本代表で「非主力」の欧州組が躍動。代表監督に求められる最善の選択と手腕

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 かつて、これほどまでに日本代表選手の選択肢が豊富だった時代はあっただろうか。

 内田篤人、長友佑都、本田圭佑などが欧州チャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出するクラブの主力だった時代もある。それでも、欧州の有力クラブに所属する選手だけで代表チームが組めたことはなかった。昨今は、日本人選手の欧州移籍がさらに加速する流れとなっている。

 森保一監督に対する人々のいら立ちの理由のひとつには、「これだけの選手がいるのに、最善の選択をできているのか?」という疑念が晴れないところにもあるのだろう。

カディス戦に先発、チームを勝利に導くプレーを見せた久保建英(マジョルカ)カディス戦に先発、チームを勝利に導くプレーを見せた久保建英(マジョルカ)この記事に関連する写真を見る 森保ジャパンで招集されなくなった、もしくは招集されていない選手が、欧州各国リーグでは躍動している。

 ポルトガルリーグ、ポルティモネンセ所属の中島翔哉は、ポルトガルリーグで最近は6試合連続先発出場。かつてのドリブルのキレを取り戻しつつある。オランダリーグ、AZに所属する菅原由勢は右サイドバックの座を確保、直近の試合ではPSVの勝利に貢献している。ベルギーリーグ、シント・トロイデンのFW林大地は、コルトレイク戦で移籍後4得点目を決めた。

 ほかにも、ブンデスリーガの奥川雅也(ビーレフェルト)はチームの攻撃を引っ張り、伊藤洋輝(シュツットガルト)は左利きセンターバックとして頭角を現している。しかし、2人とも未だに代表歴なし。フランス2部リーグではオナイウ阿道がトゥールーズのFWとして7得点を決めるなど、1部リーグではなくても実績を積み重ねている選手も少なくない。

 ケガからの復活途上だが、ロシア・ロストフで定位置をつかんだMF橋本拳人も実力者だ。ドイツ・フランクフルトの鎌田大地は、今回はケガもあって招集が見送られたが、森保ジャパンでは不燃気味だろう。セルティックに移籍した旗手怜央も招集が見送られた形だが、宿敵グラスゴー・レンジャース戦で2得点を奪って勝利の立役者となり、スコットランドでは早くも英雄となりつつある。

 今回、代表招集を受けながら、結果的にわずかな出場時間しか与えられなかった選手も躍動している。

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