福田正博が見た森保ジャパンの２連戦。両CBの出来は大きな収穫。長友佑都の評価は試合終了まで走りきってこそ (3ページ目)

【南野のポジションは今後考慮すべき】

　攻撃面は伊東純也頼みが鮮明になったが、そのなかで南野拓実が最終予選での初ゴールを奪った。ゴール前でボールを受けても冷静にシュートを打つ。あのプレーぶりを見ると、もっとゴールに近いポジションで南野を使いたくなる。現状の４－３－３にそのポジションはないが、Ｗ杯出場を決めたあとは、南野のポジションを試行錯誤する価値はあると感じている。

　その南野がゴールしたシーンで、伊東からのクロスを大迫勇也（ヴィッセル神戸）はスルーした。ストライカーだけに、自分で決めたいと思わないわけはないだろう。２戦とも、コンディションは悪くはなかったが、高まったとも言えない印象だった。

　それでも中国戦でPKを決めていたことが、味方を生かすメンタル的なゆとりにつながり、広い視野で南野の位置を把握して、スルーするほうがゴールを決められると判断したのだろう。

　一時はどん底だった日本代表のチーム状況は、サウジアラビア戦までの５連勝によって改善されてきた。次戦のオーストラリア戦に勝てば７大会連続出場が決まる。

　ただ、そう甘くはないのがＷ杯予選だ。オーストラリアに負けるようなことがあれば、一転して出場権獲得も危ぶまれる状況になる。代表選手たちにはリーグ戦で力を発揮しながら、３月の大一番に備えてもらいたいと思う。