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日本代表にスペインの名指導者が感じたプレー精度の不安。「セットプレーもバリエーションを増やすべき」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

【後半のシステム変更は失敗】

 ただし、これだけの力量差の相手に、追加点を奪えなかったのは反省材料だろう。特にセットプレーは単調で、簡単に跳ね返されていた。ペナルティスポットでフリーになった南野がシュートしたCKは悪くなかったが......」

 エチャリはそう言ってから、日本国内では絶賛されている伊東のプレーに関し、独自の見解を示している。

「伊東は突破、仕掛けで存在感を示した。後半16分には、2点目をヘディングで決めている。ディフェンスの前に入ってタイミングよく飛び込んでおり、すばらしい得点シーンだった。

 しかし、右サイドのアタッカーとしては、やや波があった。前半は先制後、3本続けてクロスをミスしていた。このポジションを高いレベルで運用するには、アシスト面でも技術精度の向上が求められる。酒井のバックアップも受けられているだけに、まだまだ貢献の幅が広げられるはずだ」
 
 そしてエチャリは、2-0とリードしたことで出た森保ジャパンの課題を挙げている。

「2-0とリードしたことによって、日本のプレー精度が低下した。たとえば、遠藤はパスで急ぎすぎる気配を見せ、守備では不必要にハードなチャージをし、チームに悪い連鎖を与えていた。あるいは、自陣ゴール近くで谷口彰悟が危険なファウルでFKを与え、あわやというピンチを作られてしまった。あろうことか、壁も完全に割れてゴールの枠に飛ばされていた。

 後半28分、森保一監督は久保建英を遠藤に代えて、トップ下として投入している。システムを4-3-3から4-2-3-1へ変更したが、守備のソリッドさはさらに失われてしまった。ゲーム展開をオープンにしてしまい、やや不穏な状況にチームを晒していた。自陣FKを与え、何でもないロングボールをクリアしたものの、こぼれ球をフリーで拾われ、ミドルで狙われてしまった。

 森保監督は後半40分に原口元気を左サイドに投入し、守備の強度を入れ、最後はバランスを取り戻していた。相手の拙攻に助けられたとはいえ、テンポがぶつ切りになった終盤は反省点だろう」

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