2022.01.23

日本代表メンバーに見る森保一監督の選考基準。お墨つき重視と鎌田大地軽視

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

【国内組合宿の意義はどこにあったのか】

 さらに言うならば、選考に驚きがないので話題性にも欠ける。物事を当たり障りなく必要以上に慎重に運ぼうとする、中間管理職然としたキャラクターが透けて見える。

日本代表候補の合宿中の森保一監督。新たなメンバーの選出はなかった日本代表候補の合宿中の森保一監督。新たなメンバーの選出はなかった この記事に関連する写真を見る  今回はメンバー発表に先立ち5日間、国内組による合宿を行なった。21日に開催される予定だったウズベキスタン戦がオミクロン株の感染拡大で中止に追い込まれると、協会は空いた日程を利用してこの合宿を行なった。

 くり返すが、欧州組はこのなかに含まれていない。当初メンバーに選ばれながら、ケガなどの理由で参加できなかったのは瀬古歩夢(セレッソ大阪→グラスホッパー)、小柏剛(北海道コンサドーレ札幌)、谷晃生(湘南ベルマーレ)の3人。前田、旗手怜央もメンバー発表後にセルティックへの移籍が決まったため不参加となった。オミクロン株が爆発的に感染拡大するなかで、開催する必要はあったのか。その意義を疑問視されたが、国内組の地位向上につながる行事だと捉えれば、そこに価値を見いだすことはできた。

 ところが、予想どおりというか、このなかから新たに抜擢された選手はひとりもいなかった。国内組6人の内訳は、常連のベテランで元海外組の4人(権田、長友、酒井、大迫)と、ここにきて右サイドバック(SB)の2番手候補に上昇した山根。さらに、これまで選ばれたり、選ばれなかったりをくり返してきた谷口だ。吉田麻也(サンプドリア)がケガのため、これも順当すぎる選出だ。

 欧州組優先。23人の顔ぶれを見て見出しをつけるならこうなる。このご時世に、大がかりな合宿を張った意味はどこにあるのかと言いたくなる顔ぶれである。合宿の成果として1人、2人でも新顔を選出すれば、話題性は高まるにもかかわらず。

 ムリヤリ選出しろと言っているわけではない。先述した三笘や前田の例が示すとおり、日本人選手の実力は欧州組、国内組を問わず、いままさに紙一重の関係にある。現在は国内組でも、半年後、1年後に欧州組になっていても不思議はない選手は少なくない。