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日本代表メンバーに見る森保一監督の選考基準。お墨つき重視と鎌田大地軽視

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 中国戦(1月27日)、サウジアラビア戦(2月1日)に臨む日本代表メンバー23人が発表された。

GK
川島永嗣(ストラスブール)、権田修一(清水エスパルス)、シュミット・ダニエル(シントトロイデン)

DF
長友佑都(FC東京)、酒井宏樹(浦和レッズ)、谷口彰悟(川崎フロンターレ)、山根視来(川崎フロンターレ)、植田直通(ニーム)、板倉滉(シャルケ)、中山雄太(ズウォレ)、冨安健洋(アーセナル)

MF/FW
大迫勇也(ヴィッセル神戸)、原口元気(ウニオン・ベルリン)、柴崎岳(レガネス)、遠藤航(シュツットガルト)、伊東純也(ゲンク)、浅野拓磨(ボーフム)、南野拓実(リバプール)、守田英正(サンタクララ)、前田大然(セルティック)、堂安律(PSV)、田中碧(デュッセルドルフ)、久保建英(マジョルカ)

 欧州組と国内組。今回の選考でその境界がいっそう鮮明になった気がする。欧州組優先。前回(2021年11月のベトナム戦、オマーン戦)は招集外だった前田が、セルティックに移籍するや代表チームに選出される姿に、森保監督の選考基準が垣間見える。

 前田は突然、上達したのか。東京五輪に臨んだU-24日本代表でも、前田はさして出場機会に恵まれなかった。6試合中先発は0。3試合に交代出場しただけで、全出場時間はわずか65分(延長戦の出場時間30分含む)にとどまった。前田は言わずと知れた昨季のJ1得点王でもある。

 国内組でいる間は低評価。欧州組に転じるや高評価を下す。前回初招集された三笘薫(今回はケガで招集を見送られた)にも同じことが言えた。東京五輪への出場時間はたったの39分に終わった選手だ。難敵オマーンとの前戦を代表デビュー戦としたその三笘が、貴重な決勝ゴールを鮮やかにアシストする姿に、森保監督の評価の矛盾が集約されていた。

 三笘が東京五輪後、ユニオン・サン・ジロワーズに移籍していなければ、最後に伊東が蹴り込んだ前戦オマーン戦の決勝ゴールはなかった可能性が高いのだ。

 欧州移籍はいわば第三者のお墨つきのようなもの。それが出るまで認めようとしない森保監督は、独自の眼力を持ち合わせていないと言われても仕方がない。欧州組になる前、国内でプレーしている時から、この選手は面白い、いける、使えると目に留まる選手はいないのだろうか。そうした選手を抜擢すれば、多少は波風が立つ。反論も出るだろう。それを極端に恐れている印象だ。独自性が見えてこない大きな理由である。

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