W杯アジア最終予選で福田正博が注目する選手、吉田麻也の代役は?「世代交代は不測の事態から生じるもの」

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フットボール原論

■1月17日からサッカー日本代表「国内組」の合宿が始まった。合宿最後のウズベキスタン戦は中止になったものの、コンディション調整、そして1月末から始まるカタールW杯予選2連戦に向け、大切な期間になる。福田正博氏に、今回の合宿、そしてW杯予選中国、サウジアラビア戦に向け、注目すべき選手を聞いた。

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【W杯予選へのコンディション作り】

 1月27日に中国、2月1日にサウジアラビアとのW杯アジア最終予選を控える日本代表にとって、また試練が訪れた。

 新型コロナウイルスの第6波の影響で、1月21日に予定されていた親善試合ウズベキスタン戦の中止が決まった。これは1月17日からはじまった国内組の選手たちで行なわれる日本代表合宿の総仕上げ的なものだった。代替となるトレーニングマッチが予定されているが、モチベーションやプレー強度などを考えれば、意義はだいぶ損なわれてしまうだろう。

 そもそも今回の合宿は、森保一監督の要望を受けて実現した。昨年9月から始まったW杯アジア最終予選の前半戦で苦戦した要因は、選手たちのコンディションを揃える難しさだった。それを踏まえ、12月からシーズンオフに入っている国内組のコンディションを整えることを目的に組まれたものだ。2月にシーズン開幕を控えるJリーグクラブの協力を取りつけ、選手たちもケガをすればJリーグを棒に振るリスクを承知のうえで実現しただけに、ウズベキスタン戦が中止になったのは残念でならない。

 それでも代表合宿に招集されているGK権田修一(清水エスパルス)、DF長友佑都(FC東京)、酒井宏樹(浦和レッズ)、FW大迫勇也(ヴィッセル神戸)といった選手たちは、森保ジャパンの屋台骨を支える選手で実績も十分なだけに、しっかりとコンディションを整えるはずだ。

 権田をのぞく3選手は、昨年はシーズン途中でJリーグに復帰したこともあって、体調面で苦労した。それだけに今回もコンディションを整えられなければ、若手に取って代わられる危機感があるだろう。万全の状態に仕上げて臨む彼らが、W杯アジア最終予選で圧倒的なパフォーマンスを見せてくれると期待している。

 それ以外のメンバーを見渡すと、Jリーグをしっかり視察する森保監督らしく、面白いメンバーをピックアップしたと思う。スコットランドのセルティックへの移籍が決まった旗手怜央、前田大然は不参加となったが、追加招集されたMF松岡大起、MF鈴木唯人(ともに清水)を含めて、11月のW杯本大会までに急成長を遂げる可能性のある選手が多い印象だ。

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