森保ジャパンの4-3-3は守備的布陣。攻撃面の連動、機能不全は未解決
オーストラリアが中国に引き分けたこともあり、第6節終了時点でカタールW杯本大会自動出場圏内のグループB2位に浮上した森保ジャパン。苦戦はしたものの、後半81分の伊東純也の決勝ゴールで勝ち点3を手にした今回の勝利は、W杯出場に向けて大きな意味を持つ。
三笘薫(中央)の活躍でオマーンに勝利した森保ジャパン。しかし、攻撃面の連動には大きな課題を残したままだこの記事に関連する写真を見る しかしその一方で、キャプテン吉田麻也が「1試合でガラッと変わる状況はウチ(日本)もオーストラリアも続くので、まだ気を抜ける状況ではない」と語ったように、残り4試合で順位が入れ替わる可能性は、数字的にも残されている。そこが、イランと韓国が1、2位で快走するグループAとの大きな違いだ。
しかも、森保ジャパンの戦いぶりを直視すれば、ベトナム戦に続き、今回のオマーン戦も決して今後を楽観できるような内容ではなかった。11月の2連戦で勝ち点6を獲得しながら、まだ不安感を掻きたてられてしまう理由はそこにある。
その意味でも、敗戦を喫した初戦のオマーン戦と今回の試合を比較しながら振り返り、変わった点と、変わらなかった点をしっかり整理しておく必要があるだろう。それにより、4-2-3-1と4-3-3の特徴とその効果の違いも見えてくるはずだ。
試合終了間際の88分に被弾し、日本がまさかの敗戦を喫した最終予選の初戦。いつもの4-2-3-1を採用した日本は、オマーンの4-3-1-2という特殊な布陣に苦しめられ、攻守両面にわたって機能不全に陥った。
攻撃面では、ビルドアップ時に相手2トップとトップ下の3人にボランチへのパスコースを消されたうえ、前線中央の大迫勇也と鎌田大地の前に相手MFの3人が立ちはだかったため、くさびの縦パスは1試合で9本のみ。そのうち8本が失敗に終わっている。
それに対し、布陣が4-3-3に変わった今回は、敵陣でのくさびの縦パスは前半7本、後半4本の計11本(そのうち7本成功)。本数だけで言えば前回と大きな違いはないが、初めて4-3-3を採用したオーストラリア戦が計4本だったことを考えると、相手の違いはあるとはいえ、多少の改善は見られたと言っていいだろう。そしてその大きな要因となっていたのが、右サイドバック(SB)の山根視来の存在だった。
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