森保ジャパンの問題点。格下ベトナムに辛勝、運よく勝ったオーストラリア戦の流れを生かせていない
序盤の3試合で2敗を喫した時は、早くもワールドカップ出場が絶望的になったかのような悲観的な声も聞かれたが、グループB全体の星取りを見れば、明らかに日本を取り巻く状況は改善されてきた。
今節の3試合では、日本がベトナムに1-0で勝利した以外、サウジアラビアとオーストラリアは0-0で、中国とオマーンは1-1で、ともに引き分けに終わった。
周囲がうまく潰し合ってくれたなかで、日本だけが勝ち点3を積み上げ、2位のオーストラリアとは勝ち点1差の3位に浮上。最終予選は全日程のちょうど半分を終えたが、上を行くサウジアラビアとオーストラリアも射程圏内に入ってきた。
格下のベトナム相手に苦戦を強いられた日本代表この記事に関連する写真を見る とはいえ、日本の戦いだけにフォーカスすれば、基本的な流れはオマーンにホームで敗れた初戦から変わっていない。
大まかに言うと、前半は優勢に試合を進めながら、後半は押し込まれる。前半のうちに得点できればまだいいが、得点できずにいると、後半には綻びが生まれてしまう、という流れだ。
幸いにして、前回のオーストラリア戦は相手のオウンゴールに助けられる形で勝つことができたが、前半に先制しながら後半に追いつかれており、そのまま1-1で終わっていてもおかしくない試合展開だった。
しかしながら、運も味方につけて土壇場で勝ち越したオーストラリア戦が、だからこそ、それまでの悪い流れを変えるきっかけになるのかもしれない。そんな期待を抱かせた。憑き物がとれた今、ベトナムに完勝できれば、流れは一変するのではないか、と。
ところが、今回のベトナム戦は、すっかり従来の流れに沿う試合に戻ってしまった。
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