2021.09.02

中村憲剛と佐藤寿人の五輪総括「前田大然をなぜ前で使わなかったの?」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

---- 結果論にはなりますが、やっぱりFWにオーバーエイジを入れておけば、という声も聞こえてきます。

中村 日本はよくも悪くも、属人的だったかなと。4−2−3−1というシステムはあるんですけど、中心は堂安(律)であり、久保(建英)であったので、相手からすれば、ある程度対策を立てやすいチームだったと思います。

 もちろん、どこのチームも多かれ少なかれ、そういう部分はあります。ですが、スペインとブラジルの決勝戦を見た時に、6連戦の最後にあれだけの強度でやれるのかと驚かされたんです。

 それは、個々が持つタフさもあるでしょうけど、選手のケガやコンディションが上がらないところも加味して、22人の選手をうまく回しながらこの大会を戦ってきた証でもあると思うんです。逆に日本の場合は22人中19人が起用されましたけど、出場時間の配分はだいぶ偏っていましたから。

---- とくにボランチのふたり(田中碧&遠藤航)は、最終的にかなり疲弊していた印象でした。

中村 冨安のケガの影響で(板倉)滉をCBで使わなくてはいけなくなったので、ふたりを休ませられなくなってしまったところはあったと思います。マネジメントのところは相当、難しかったでしょう。

 遠藤や(田中)碧と同じようなクオリティの選手が複数いれば、マネジメントはしやすかったと思いますが、まだそこまでではなかったと思いますし、選手層の厚みという点では、ブラジルやスペインのような上に行くチームと差があったと思います。

 日本の場合、南アフリカ戦で勝利したことで本大会での戦い方が定まった印象です。林がプレスをかけてみんなで前から行くサッカーは、最初のうちは走れるから機能したけど、中2日の6連戦となった時に疲弊の色が濃くなってきてからは難しくなってしまった。

佐藤 林はよかったですよね。2列目の選手が点をとれたのは、彼が前に引っ張ることで2列目のプレーエリアが空いたことが大きかったと思います。