W杯最終予選のベストゴールと言えばコレ! 識者3人が衝撃を受けたトップ3 (2ページ目)

  • photo by Katsuro Okazawa/AFLO

中山 淳氏(サッカージャーナリスト)

1位=岡野雅行の決勝ゴール/日本3-2イラン
1998年フランスW杯最終予選(1997年11月16日/マレーシア)

 W杯アジア最終予選ベストゴールは、「ジョホールバルの歓喜」の象徴でもある岡野雅行の決勝ゴールをおいて他にない。2-2で迎えた延長後半118分、両チームの選手が消耗しきったなか、中田英寿のシュートを相手GKが弾いたところに、岡野がスライディングシュート。その瞬間、日本のW杯初出場が決定した。

 実はこのゴールには伏線があり、延長後半早々に相手GKと城彰二が衝突し、GKがゴールポストに左肩を打ちつけた場面があった。ゆえに、GKは左に放たれた中田のシュートを外側に弾き出せなかった。意図的か、偶発的かはわからないが、それによって岡野のゴールが生まれたと言っても過言ではない。


2位=三浦知良の決勝ゴール/日本1-0韓国
1994年アメリカW杯最終予選(1993年10月25日/カタール)

 当時プロ化により急成長中だった日本にとって、韓国は目の上のたんこぶのような存在。そんな難敵に対し、セントラル方式で行なわれた1994年W杯アジア最終予選という大舞台で、日本は1-0で勝利した。その試合で、カズ(三浦知良)が後半60分に決めた決勝ゴールは、一度は薄れかけたW杯初出場の希望を取り戻す意味でも、極めて印象的な1発だった。

 左から吉田光範が入れたクロスを、ニアでカズが空振りふうのスルー。長谷川健太に当たってこぼれたボールが再びカズの前に転がり、それを右足で振り抜いたという偶発的なゴールである。残念ながらW杯出場は果たせなかったが、1984年定期戦以来となる韓国戦の勝利は1勝以上の価値があった。


3位=山口素弘の先制ゴール/日本1-2韓国
1998年フランスW杯最終予選(1997年9月28日/日本)

 1勝1分けで迎えた1998年W杯アジア最終予選の3戦目。日本が国立競技場に2連勝スタートの韓国を迎えるという大一番で、山口素弘が後半67分に決めた絶品ループシュートは、本人以外は誰も予想できないようなスーパーゴールだった。

 敵陣で自らボール奪取した山口が、そのままドリブルでスルスルと前進。ボックス内に進入したところで足元深くにボールが入ったため、そのまま右足でボールを救い上げた。とっさの判断とはいえ、あの緊張感に満ちた試合で、インステップで振り抜くシュートの印象が強かった山口が実行したこと自体、驚きでもあった。あれが決勝点になっていれば......と何度思ったことか。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る