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森保ジャパン、アジア最終予選の顔ぶれを考える。あえて招集しない選手も!? (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 なぜならアジア最終予選の最大の目的は、チームづくりではなく、W杯本大会への出場権獲得にあるからだ。最終予選は10試合しかない。自分たちに流れを引き寄せるために、序盤戦はとても重要な戦いになる。1993年のドーハの悲劇のメンバーである森保監督が、なおさら慎重になるのは想像できるし、これはチームを率いるリーダーとしては当然のことだ。

 序盤戦は、これまでの日本代表で結果を残した選手たちを信頼してピッチに送り出す。そして、そこで勝ち点を積み重ねることができたり、主力選手にコンディションなどで問題が生じたりした時に、新たな選手を起用するのではないかと思う。

 攻撃面は1トップを誰にするのか。コンディションが整えば、大迫勇也が筆頭候補だ。実績は折り紙つきで、今季からJリーグのヴィッセル神戸に移籍したので移動の負担も少ない。6月の代表活動ではケガにより途中離脱したが、その故障箇所が万全な状態になっているかどうか。この大迫の状態次第で、ほかに招集される選手が変わる気がする。

 オナイウ阿道は、代表でどんなプレーをするのか楽しみにしている選手のひとりだ。6月の代表戦は、大迫離脱によってめぐってきたチャンスでしっかり存在感をアピール。今夏にフランス2部のトゥールーズに移籍し、第5節では移籍後初ゴールも決めた。普通に考えれば日本代表に招集されて不思議はない。

 しかし、森保監督のこと。だからこそ招集しない可能性もある。森保監督は選手個々がクラブで定位置をつかんで、コンスタントに試合に出ながら個の力を伸ばすことも日本代表強化の一環と考えている。そのため毎試合出場して結果を残し始めているオナイウを、日本代表に招集して長距離移動の負荷をかけて調子を崩させるよりも、いまは自チームでの立ち位置を確立させようと気遣うのではないかとも思う。

 そうしたときにチャンスがまわってくるのは、東京五輪組の林大地(シント・トロイデン)や上田綺世(鹿島アントラーズ)だろう。林は東京五輪では泥臭いプレーで存在感を発揮した。アジア最終予選のような緊張感の高い勝負では、林のような執着心の強いプレーがチームを助ける場合もある。上田は故障の影響もあって東京五輪では悔しい思いをした。ただ、そのポテンシャルを誰よりも買っているのは森保監督なだけに、最終予選でその悔しさを晴らす機会が与えるかもしれない。

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