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スペイン人指導者が日本の快勝にも警鐘。「無邪気に攻めてはボールを失っていた」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

 その5分後にも、日本はコンビネーションで上回って左サイドの相馬がディフェンスと1対1になった。縦へのドリブルから左足のクロスを、林が空振りし、堂安も十分に準備ができていなかった。ボールは相手に当たって一度はCKと判定されたが、VAR判定になった。相馬が足にタックルを浴びていたことが判明し、PKとなると、これを堂安が左足でど真ん中に叩き込んだ。

 日本は、高いインテンシティでプレーしていた。攻めかかった時のスピードは、メキシコを凌駕。久保は攻めかかる勢いもあり、相手がファウルで止めざるを得ないほどだった。

 守備面では、プレスだけでなく、球際でも強さを見せた。とりわけ、遠藤が中盤で存在感を示していた。かなりの強度でボールホルダーに迫り、何度ボールを奪い返したことか。さらに、それを自ら前へ攻め運び、決定機まで作っていた」

 エチャリはそう言って前半の日本の戦いに及第点を与えている。マイナスの指摘はほとんどなかった。

「日本は前半2点リードしたことによって、試合を優位に進められた。各ラインがバランスを保ち、局面に対して万全の準備。攻守両面で道理にかなったプレーを見せたと言えるだろう。

 後半も、久保、堂安らがたびたびゴールに迫っている。メキシコのエンリ・マルティンやディエゴ・ライネスの対応にてこずることもあったが、守備も堅固さを見せていた。後半20分過ぎには、田中碧の自陣からのロングパスに堂安が裏を取って、敵のファウルを受ける。これがレッドカードを誘発し、ひとり多い状況で戦えることになった。明らかな優位に立ったのだが......。

 この後、日本は自ら流れを悪くしていった。無邪気に攻めてはボールを失い、カウンターを浴びる。南アフリカ戦でも感じたことだが、交代選手がいい流れを与えられていない。不必要なファウルも多くなって、それも自陣ゴール近くだったことで、危険なセットプレーを与えた。

 85分、メキシコの右サイドのFKで左足のインスイングのボールをニアに蹴り込まれ、これを誰も触れず、失点を喫した。

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