スペインの名指導者から日本の五輪代表へ。スペイン戦は「本番を想定した交代策を」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

◆スペインの名指導者が推す東京五輪でカギを握る7人。「U-24世代では1、2を争う逸材」と絶賛した選手は?

 エチャリはそう明言する一方、プラス要素も挙げた。

「1点を返された後、再びリードを広げるゴールを決められたのは評価できる。しかも、コンビネーションが結実したすばらしい得点だった。町田浩樹を起点に、相馬勇紀、前田大然、遠藤とつなげ、再びボールを受けた相馬のクロスに、堂安がニアに鋭く飛び込み、ネットに突き刺した。

 これで試合のペースは落ちついたと言える。

 言うまでもないが、後半のゲームの進め方はベストではない。相手に流れを与えてしまったことは反省点だ。メンタルマネジメントはひとつの教訓になるはずだ。

 しかしながら、これだけ大勢の交代選手が入り乱れると、現場にいた人間としては『しかたない』と森保一監督を擁護したくなる。何人まで変えられるレギュレーションだったかわからないが、私は個人的にこうした親善試合も、公式戦と同じ交代人数でやるべきだと考えている。さもないと、公式戦を想定したスカウティングができない。実際には選手を5人も一気に代えることはできず、あり得ないことで勝利の戦略を語る難しさを感じてしまうのだ」

 そして最後にエチャリは、17日のスペイン戦に向け、こうメッセージを送っている。

「スペインは有力な選手が揃っている。日本としては勝利を考えると、交代策も試合の流れを左右するかもしれない。交代の切り方なども、本番を想定したテストをするべきだ」

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