長谷川唯がなでしこジャパンで「ずっと課題」と感じていること。強豪国に対しての戦い方

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 2014年、FIFA U-17女子ワールドカップを制した頃から、そのズバ抜けたテクニックと意表を突くアイデアで注目されていたのが長谷川唯(ACミラン)だ。当時の日テレ・ベレーザでさらに磨きをかけた長谷川が、なでしこジャパンに初選出されたのが2017年。アンダーカテゴリーから高倉麻子監督の元で日の丸を背負ってきた彼女を、なでしこジャパンの軸に据えるのは必然だった。今のなでしこジャパンには欠かせない存在に成長した長谷川唯今のなでしこジャパンには欠かせない存在に成長した長谷川唯 20歳で飛び込んだなでしこジャパンでも、臆することなく自らのプレーを貫いてきた。ピッチではあらゆるポジションに出没する長谷川。当初は周りの選手も戸惑いを見せていたが、それが高倉監督の目指す流動的なサッカーの象徴でもあった。それから4年が経ち、今やなでしこジャパンに不可欠な選手へ成長した。今シーズンからはイタリアのACミランへの挑戦も果たした長谷川が、いよいよオリンピックの舞台へ立つ――。

――2019年のFIFA女子ワールドカップフランス大会では、途中ケガなどで悔しい思いをしたと思います。それ以降、レベルアップは実感できていますか?

「ワールドカップ後に、取り組んできた筋トレの成果が表れてきていたところで、昨年はコロナ自粛がありましたが、そこでさらに筋トレの時間を増やせました。そのおかげで、リーグ戦でも調子がすごくよくて、身体の動きもよくなったと実感できました。そういう意味ではワールドカップからここまで成長できていると思います」

――今年1月からは、ACミランに移籍をしました。何かきっかけはありましたか?

「昔から海外へは行きたかったんです。高校3年生の時にもチャンスがあったのですが、『ベレーザのために何ができたか』と言われたらまだ答えられなかった。あとは代表でもアンダー世代だったので、なでしこジャパンに入って、ある程度自分のポジションが定着しないと海外に行くのはちょっと違うかなと思うところもありました。もう少し早く行けたらと思うこともありましたが、いろんなタイミングや年齢も考えて、今回行くことを決断しました」

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