スペイン人指導者が南野と原口の攻撃のまずさを指摘。逆にタジキスタン戦で評価した選手は?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「成績表にするなら、前半は『可』、後半は『良』だった」

 スペイン人指導者、ミケル・エチャリは4-1で勝利した日本代表のタジキスタン戦をそう評価している。

 エチャリはスペイン・バスク地方で有名なサッカーの目利きである。監督養成学校の元教授で、ヴィッセル神戸の元監督で現在はマンチェスター・シティのコーチであるフアン・マヌエル・リージョ、アスレティック・ビルバオの監督だったガイスカ・ガリターノなどはその生徒にあたる。世界中から指導者講習で招かれ、日本にも何度か来ている。

「前半、日本は中盤とバックラインの連係が悪く、試合を組み立てられなかった。とりわけ、バックラインのボール回しがスローで時間をかけるため、相手に守りを固められてしまっていた。さらにディフェンスの判断が不規則で、守備でも何度か混乱があった。メンバー表を見ると、多く選手を変えすぎていたのはあったのだろうが......」

 エチャリはそう指摘した。では、その"成績表"の中身とは?

タジキスタン戦の前半40分、2-1とするゴールを決めた南野拓実タジキスタン戦の前半40分、2-1とするゴールを決めた南野拓実この記事に関連する写真を見る「日本は4-2-3-1といつもと同じシステムだったが、メンバーはバックラインを中心にかなり変えていた。その点、連係の問題はあったかもしれない。ビルドアップで前につけるボールが遅く、テンポが出せない。守備に回った時も浮つく感じがあった。ボールを失う場面もあって、危うく攻め込まれていた。

 タジキスタンが日本を警戒し、しっかり準備してきた点も見逃せない。守りに入る時は、しっかりと三つのラインで守っていたし、帰陣も早かった。自陣からのカウンターも整備されていた。また、単に下がって守るだけでなく、敵陣でのプレスも仕掛け、そこで奪った時はボールを運びながら、ショートカウンターで日本を脅かした。

 日本はペースを掴めなかったが、6分に先制点を決める。山根視来のスルーパスにマークを外すランニングで浅野拓磨が反応し、GKと1対1になる。そのシュートは外れるが、同時にダイアゴナルのランニングでゴール前に入っていた古橋亨梧が左足で放り込む。プレーの連続性が見え、とてもいいゴールだった。

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